ボーダーコリーは飼育放棄が多い?里親を募集する「BCRN」についても

ボーダーコリーの子犬を譲っている団体

非営利のボランティア団体“ボーダーコリーレスキューネットワーク”

ボーダーコリーは飼育放棄が多い?里親を募集する「BCRN」についても

ボーダーコリーの性質をきちんと理解せず、安易な考えで飼い始める飼い主が非常に多く、飼育放棄が高いことから、日本では2007年10月23日に非営利のボランティア団体“ボーダーコリーレスキューネットワーク(略称:BCRN)”が設立されました。

『全てのボーダーコリーが幸せになる事を目的』として掲げ、保護センターに収容されているボーダーコリーを保護し、里親になってくれる新しい飼い主を探すお手伝いを行っています。また、一般家庭からの「どうしたらいいの?」といったご相談や質問なども可能な限り対応したり、場合によっては新しい飼い主を探すお手伝いをしたりしているそうです。

ボーダーコリーをお迎えして悩んでいる方、またボーダーコリーをお迎えしたいと検討している方はまずは1人で考えずに、BCRNに相談してみてはいかがでしょうか。


【ボーダーコリーレスキューネットワーク(略称:BCRN)のホームページはこちらから】
ボーダーコリーレスキューネットワーク

【ブログを読んでみたい方はこちらから】
BCRN BLOG

ボーダーコリーを飼う前に今一度よく考えて

日本にボーダーコリーレスキューネットワークがあるように、アメリカでもボーダーコリーレスキューネットワークが存在します。

アメリカでは、ボーダーコリーを飼う前に今一度本当に欲しいのかよく考えてもらいたいという意味を込めて、メッセージが掲載されているそうです。ぜひ、この記事を読んだ皆さんも一度目を通していただければ幸いです。


【アメリカのボーダーコリーレスキューからのメッセージ(※FBCCが許可を得て翻訳、掲載しています)】
本当にボーダーコリーが欲しいのか?

軽い気持ちが悲劇を生み出す

ボーダーコリー
photo by SoloStar

皆さんは、ボーダーコリーと聞いてどんなワンちゃんだとイメージしますか。「頭がいい」「運動能力に優れている」「かわいい」といった、非の打ち所がない犬種だと思っている方も多いのではないでしょうか?

確かにボーダーコリーは、全犬種の中で最も賢い犬1位としてランキングに挙がるほど、その賢さは折り紙付きです。またCMや海外ドラマでは飼い主が起きるタイミングに新聞紙を加えて登場したり、忘れ物を届けたりしてくれるなど、好印象な犬種のイメージが強いかもしれません。

しかし、その一方でボーダーコリーは飼育放棄が多い犬種でもあります。
「え!?あんな賢い犬なのに?」とビックリされる方も多いことでしょう。しかし、これは事実なのです。
今回はそんなボーダーコリーがなぜ捨てられるのかを詳しくお話ししたいと思います。

なぜ?ボーダーコリーの悲劇

ボーダーコリーの飼育放棄が多い理由

賢くて運動神経のボーダーコリー。魅力が満載の犬種なのにも関わらず、なぜ飼育放棄が多いのでしょうか。

≪飼育放棄理由≫
・噛み癖、吠え癖が多いから
・運動量が多過ぎる
・思っていた以上に大きく成長したから
・病気やケガでかかる治療費が高額だから
・引っ越しする場所がペット禁止だから
など

なかには「子犬の頃よりもかわいくない」「いうことを聞かないから」「めんどくさくなった」「飽きちゃった」など、言葉を失ってしまうような身勝手な理由もあります。

この中で特に多いとされる飼育放棄の主な理由は問題行動による“しつけ”です。
「賢いならしつけだってしやすいのでは?」と思う方もいることでしょう。確かに、きちんとしつけを行えばとても従順なパートナーとなってくれます。また家庭犬として飼うのであれば、特別な運動や散歩も必要ありません。

では、なぜ飼育放棄をしてしまう飼い主が後を絶たないのでしょうか。

ボーダーコリーと飼い主の関係性

しっかりと主従関係と信頼関係が構築できていないから

ボーダーコリー

「犬」という生き物は、自分より強くて頼れるリーダーの指示にしか従いません。なぜなら、本来ワンちゃんは群れで生活をしていた動物です。そのため、群れをまとめるリーダーが頼りなければ生きてはいけません。より優れたワンちゃんが現れれば政権交代の如く、次のリーダーが群れを導くのです。

このようなことから、ワンちゃん自身が飼い主をリーダーとして認め、信頼していなければ飼い主の指示は聞く耳を持ちませんし、ワガママ放題になってしまうのです。

きちんとしつけをしないとずる賢さが際立つ

ボーダーコリーは頭がよいため、少しずる賢い性質を持ち合わせています。そのため、子犬の時期にどれだけきちんとしつけを行っていたかが大変重要となってきます。

子犬の頃はやさしい顔立ちがさらに際立つため、ついつい愛玩犬のようにしてしまいがちです。しかし、ボーダーコリーは愛玩犬として飼う犬種ではありません。適切な飼い方としつけができていないと「僕が1番偉い!」「私がリーダーよ!」と自分主導に動いてしまい、とても扱いづらい犬種と化してしまうのです。

ボーダーコリーの性質を知らずに迎えている

ボーダーコリーは運動量が多い犬種である

本来ボーダーコリーは、牧羊犬として活躍してきた犬種です。そのため、愛玩犬のようにちょっとの運動では満足がいきません。大型犬並みの運動量が必要です。

また、ボーダーコリーは運動不足になるとストレスを溜め込みやすい性質の持ち主です。毎日満足のいく散歩・運動量をさせないと大きな声で吠えたり、噛みついたりするなど攻撃的な態度をとるようになってしまいます。

いくらきちんとしつけを行っていたとしても、ストレスを与えてしまっては意味がありません。毎日満足のいく運動量をこなしてあげないと、手の付けられない子へと成長してしまいますよ。

【どれぐらいの運動をさせるべきか詳しく知りたい方におすすめ】
https://www.breeder-navi.jp/column/border-collie/border-collie-column09/

賢いからこそ、自我がある

ボーダーコリーの飼育放棄は日本だけではありません。原産国であるイギリスでも飼育放棄が高い犬種でもあります。

ボーダーコリーは自身の尊厳を傷付けられたと感じると、例え飼い主であろうと噛んだり、吠えたりして抗議をします。そして「これは違うのではないか?」と、納得ができないことに関しては決して従わない意思の強さを持ち合わせています。

「賢いから」「頭がよいから」というだけで、人間の言うことを素直に聞くとは限りませんし、しつけがしやすいというわけではありません。安易な気持ちでボーダーコリーを迎える人が多いからこそ、その後の「なんか違った」と飼育放棄をする人が後を絶たないのです。

まとめ

先述でご紹介したアメリカのボーダーコリーレスキューのメッセージにこんな内容がありました。

 

不幸なことに多くの人は犬種と犬を選択するよりも、買い換えの車を選ぶことの方にはるかに多くの時間をかけます。たとえ車の方がずっと値が張るのが事実だとしても、本当はメーカーやモデルを選ぶことよりも犬を買う決断の方にはるかに多くのエネルギーを費やすべきなのです。
大事な点は、犬が車とは違うということです。すなわち、彼らは感情やユニークな個性を持っていますし、なにより生きて息をしているのです。家に迎えたその瞬間から、犬はあなたの家族の一員になります。惜しみない献身と細心の注意で彼らを愛し面倒を見る必要があります。

引用元:本当にボーダーコリーが欲しいのか?

「かわいいから」「ワンちゃんを飼ってみたいから」など、安易な気持ちで飼うとお互いが不幸になるだけです。命ある生き物を飼うということは『責任重大』です。どんなワンちゃんで、飼育方法はどうなのか、自分に適しているのかをよく考えた上でお迎えしてください。

ボーダーコリーの性質をよく理解してから迎えよう

ボーダーコリー

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