柴犬には種類がある?川上犬、美濃柴、縄文柴とは?

柴犬には種類がある?川上犬、美濃柴、縄文柴とは?

世界でも高い人気を誇る日本犬の代表ともいえる柴犬。
一口に柴犬といっても、実は複数の種類があり、地域固有の【地柴】という犬種が存在します。

本記事では、そんな土地に根ざした柴犬の種類について紹介するとともに、人気が上昇中の【豆柴】についても解説していきます。

柴犬の種類一覧

  • 信州柴犬
  • 川上犬
  • 美濃柴犬
  • 山陰柴犬
  • 縄文柴犬

日本の各地域には、固有の【地柴(じしば)】が存在することをご存じでしょうか?
柴犬には、実は犬種の中にもいくつか種類があります。一般的に、柴犬と一括りにされがちですが、地域によって毛色や顔立ち、しっぽの巻き方、性格などに固有の特徴を持った柴犬が存在します。

ここでは、それぞれの特徴について確認していきましょう。

信州柴犬

現存するほとんどの柴犬のルーツといわれており、日本で飼育されている柴犬の実に99%が信州系です。ピンと立った耳や丸まったしっぽ、被毛の色といった、現在の柴犬にも共通する特徴が引き継がれています。

基本的に家族には従順なものの、家族以外の人間とは距離をとるところは、現在の柴犬にも通じる性格でしょう。

信州柴犬の特徴
・タヌキ顔
・現存する柴犬のルーツ
・柴犬らしい特徴と性格

川上犬

ニホンオオカミの血を色濃く受け継いでいる犬種で、現在の柴犬よりも狼に近く、野性味の強い凛々しい外見をしています。体も一回り大きく、単色ではない長い毛並みが特徴です。

性格は好奇心旺盛で、飼い主には従順ですが警戒心が強く、見知らぬ人には簡単に懐かず、その点は一般的な柴犬と似ています。

生活環境を整えた上で、時間をかけて確実に信頼関係を築いていきましょう。

川上犬の特徴
・寒さに強い
・運動能力が高く野性味が強い
・性別による違いが明確

美濃柴犬

最大の特徴は、「緋赤」と呼ばれる夕焼けのように鮮やかな毛色です。成長に伴い毛色が変化していき、成犬になると全身燃えるように鮮やかな赤に染まります。

体は全体的に丸く顔はタヌキ顔で、毛色と顔の特徴から、一見してほかの柴犬との違いが分かるでしょう。

人懐こくフレンドリーで、あまり警戒心がない性格。飼い主に従順な点は、他の柴犬と共通しています。

一時期絶滅寸前にまで陥り、現在も飼育頭数は約150頭ほどと大変希少な犬種です。

美濃柴犬の特徴
・タヌキ顔
・希少な犬種
・人懐こい

山陰柴犬

小さくスリムな体型をしており、赤味がかった真っ直ぐな被毛、上方についた小さな耳が特徴です。

柴犬のしっぽといえば巻いているイメージがありますが、山陰柴犬は背中と平行に沿った「差し尾」や尾が立った「太刀尾」の出現率が高い傾向にあります。

温和で無駄吠えが少なく病気への耐性が強いため飼いやすく、運動量が豊富でとにかく活発です。

しかし、「室内飼いができない」「ペットショップでの購入ができない」ことに加え、飼うためには厳しい条件が課されているので、簡単には飼うことができないでしょう。

山陰柴犬の特徴
・キツネ顔でスリム
・差し尾、太刀尾の出現率が高い
・おとなしい性格

縄文柴犬

長い足とキツネ顔、くるりと巻いたしっぽが特で、スマートな体型からイメージする通り高い運動能力を誇ります。

縄文時代の日本犬を再現するために、古代の特徴を残す柴犬を選択交配して再現された犬種で現存数は少なく300頭ほど。世界的にも珍しい原種的な形態を引き継ぐ、貴重な日本の在来種です。

現在の柴犬をさらに先鋭化したような性格で、強い警戒心と飼い主さんへの従順さを持っています。

縄文柴犬の特徴
・原種の特徴を引き継ぐ在来種
・現存数は300頭ほど
・現在の柴犬よりも強い警戒心

柴犬の性格については、下記のページでも詳しく解説しています!ここで紹介した地柴の性格ととも参考にしてみてください。
柴犬の性格は?オスとメスでの違いや特徴、飼いやすさまとめ 柴犬の性格は?オスとメスでの違いや特徴、飼いやすさまとめ

豆柴は犬種ではない?血統書は発行されるの?

豆柴は、成犬になっても子犬のような可愛らしさを維持する柴犬で、現在とても人気が高い犬種です。しかし、多くの犬種団体では固有の犬種と認められておらず、あくまでも「小さな柴犬」という扱い。「豆柴なんて犬種は存在しない」という方もいるかもしれませんが、古くは縄文時代にその存在が認められています。

豆柴の大きさ、柴犬との違いは?

成犬に成長しても、柴犬の子犬程度の大きさにしかならず、その可愛らしさから高い人気を誇る豆柴は、体重は一般の柴犬のおよそ半分程度です。
柴犬との違いはその大きさだけで、個体差を除けばそれ以外に違いはないと言われています。

しかし、「豆柴と思って迎えたのに、成長したら普通の柴犬の大きさになった」という話も良く耳にします。こうしたトラブルを未然に防ぐため、豆柴の証明として血統証を発行してもらうといいでしょう。
日本社会福祉愛犬協会(KCJ)など、国内で豆柴の血統書を発行してくれる団体もあるので、きちんと証明してくれる信頼できるブリーダーから迎えることをおすすめします。

下記ページでは、柴犬との違いや豆柴を迎える際の注意点、価格などを詳しく解説しています。注意していただきたい点もあるので、豆柴を迎える前に一度ご覧ください。
【豆柴を飼いたい】値段は?性格は?成犬はどれくらい大きくなるの? 【豆柴を飼いたい】値段は?性格は?成犬はどれくらい大きくなるの?

絶滅と隣合わせだった柴犬の歴史

柴犬の歴史は古く、縄文時代の遺跡から発掘された【縄文犬】が、柴犬の先祖と考えられています。縄文犬のサイズは現在の柴犬とほぼ同じで、ピンと立った三角の耳と長いマズルといった容姿も、柴犬と似ていたようです。
歯の状態などから生前は狩猟犬であったことが窺え、丁寧に埋葬された形跡があり、昔から人間のパートナーだったと考えられています。

二度の危機を乗り越えた柴犬

文明開化により一気に近代化が進む明治時代、多くの洋犬が来日したことによる交雑で、次第に純血の柴犬は数を減らしていきました。

この事態を危惧した斎藤弘吉という芸術家が、昭和3年に【日本犬保存会】という日本で初めての犬種団体を設立。初代会長となり、日本犬の保護に乗り出したことで、日本犬は順に天然記念物に指定され、無事絶滅の危機を免れました。

こうして一度は危機を脱したものの、その後の第二次世界大戦により、柴犬は再び絶滅の危機を迎えます。戦後の食糧難、伝染病の流行により多くの柴犬が犠牲になり、ますますその数を減らしていったのです。

しかし、再び日本犬を守ろうとする運動が起こりました。
こうした状況を見兼ねた日本犬の愛好家が、各地で生き残った柴犬を集め、交配を行うことで種を存続することに成功したのです。

まとめ

一口に柴犬といっても、さまざまな種類があることをご理解いただけたと思います。
毛色の違いやしっぽの違い、顔のタイプなどを考えれば、同じような柴犬を見つけることは難しいかもしれません。

今回の記事をお読みになり、柴犬を迎えたいと思った方は、ぜひ下記ページをご覧ください。柴犬を飼ううえで欠かせない、しつけなどの飼い方について解説しています。
初心者向け柴犬の飼い方 初心者向け柴犬の飼い方
また、下記の「柴犬子犬を探す」ボタンから、現在ブリーダーナビで掲載している柴犬の子犬をご覧いただけます。ブリーダーさんはワンちゃんの専門家なので、疑問に答えてくれるだけでなく、他の誰よりも詳しく飼い方をアドバイスしてくれますよ。

柴犬の子犬を探す