老犬の食事やトイレの介護はどうする?環境や必要なものを解説

人間と同じくワンちゃんも年齢を重ねます。高齢になればさまざまな面に衰えが現れ始め、それまで普通にできていたことが年齢と共にできなくなることも珍しくありません。
ワンちゃんを家族に迎え入れる際は、老犬になった時の介護が必要になることも理解しておく必要があるでしょう。
ここでは、無理せず続けるための介護について解説していきます。

負担が少ない過ごしやすい環境を作る

老犬の食事やトイレの介護はどうする?環境や必要なものを解説
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高齢になれば体のさまざまなところに衰えが出てしまい、少しずつできないことが増えていき、それがストレスになってしまいします。年老いた愛犬が負担を感じないように、過ごしやすい環境を作ってあげましょう。

生活環境の見直しを

ワンちゃんも年を重ねて高齢になれば、脚力や視力、嗅覚、聴力といった身体機能が衰え、それまで普通にできたことができなくなっていき、ストレスをためることになります。
また、新しい生活環境に馴染むまで時間がかかるようになるので、「できなくなってから見直す」のではなく、「まだできるうちから考える」ようにしましょう。

衰えがあっても、具体的なケガやトラブルが起きない限り、「たまたまだろう」と見逃してしまうことも。そのため、できなくなったことに気付くのは、ケガをした後というのがほとんどです。愛犬をケガから守るためにも、早いと思える段階でシニア犬に優しい生活部屋作りをはじめてください。

具体的には、障害物を避けられなくなったり、段差の登り降りが難しくなるので、家具の角に緩衝材を張ったり段差を極力なくすようにしたりすると良いでしょう。

食事の介護


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生きていくうえで食事は欠かせません。しかし、老犬になれば食欲も衰えるので、若い頃と同じような食事は難しくなります。そのため、年齢に応じた食事を用意してあげるようにしてください。

状況別の対処

・食欲の減退
高齢になるとさまざまな力が衰えて食欲が減退するので、原因に合わせた対処方法が必要です。

例えば、味覚や嗅覚が衰えご飯を美味しく感じなくなったのなら、嗜好性の高いフードを混ぜるなどの工夫をしましょう。
また、噛む力や飲み込む力が衰え食事が億劫になったりするので、ドライフードはふやかしてあげたり、缶詰などの柔らかく消化の良いものに変えてあげるといいでしょう。

・自力では食事ができない
高齢になると自力での食事が難しくなる子もいます。そんな場合は、流動食を与えて栄養補給させるようにしましょう。市販品の流動食もありますが、ドッグフードをすり潰し、水と混ぜて流動食を作ることもできるので、ワンちゃんの好みに応じて選んでください。

流動食は、シリンジという針のない注射器にいれて、愛犬を膝の上に乗せた状態で、喉に詰まらないよう口の端から少しずつ入れてあげましょう。
普段は大人しい子でも、強いストレスを抱えて攻撃的になっていることもあるので、噛まれないように注意してください。場合によっては病気の疑いがあるので、獣医さんにも相談しましょう。

・食べても吐いてしまう
1回の嘔吐であれば珍しくないので、元気や食欲があり、下痢もせずすぐ落ち着くようであれば大きな問題はありません。ただし、嘔吐を繰り返す、元気・食欲がない、下痢も伴うようであれば、早めに動物病院に連れて行きましょう。
加齢からくる消化機能の衰えで吐く場合は、ウェットフードや高消化性フードなど、消化しやすいものを与えて様子を見てください。

寝たきりの老犬が食べたフードを吐くようなら飲み込む力の衰えが考えられます。頭を立てて食事を与え、食後もしばらく頭を高い位置に保つようにすれば飲み込んでくれるでしょう。

・体重の増加
老犬になると、筋力の衰えや運動量の減退、ホルモンバランスの乱れにより、肥満になりやすくなります。高齢になると、ただでさえ筋力が弱くなっているうえ、肥満になると足腰への負担が増大するので、余計に運動を嫌がるようになるでしょう。
無理のない範囲で運動を続け、場合によっては獣医さんに診てもらってください。

・食事後すぐにご飯を欲しがる
食事を終えたのに30分くらいでまたご飯をほしがるようなら、認知症の疑いがあるので、一度獣医さんに診てもらってください。

そのほか、高齢になると欲求を抑えられなくなり、ワガママになることもあります。
その1つとして食事を要求するケースがあるので、この場合1回の食事量を減らし回数を増やして対応するようにしてください。

下記ページでも食事の介護について詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
老犬が食べないときは?食べさせ方やポイント 老犬が食べないときは?食べさせ方やポイント

トイレの介護


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介護のイメージの代表的なものの1つがトイレの介護ではないでしょうか。
人間同様、ワンちゃんも年老いるとトイレの問題が増えていきます。トイレに間に合わなかったり、思わぬタイミングで粗相してしまったりすることもあるでしょう。

トイレの失敗が増えてきたときの対処

・トイレを失敗するようになった
高齢になりトイレを失敗するようになった原因として、「トイレの場所が分からない」「筋力が落ちてトイレまでたどり着けない」ということが考えられます。

トイレの場所が分からない場合、嗅覚をサポートするために予めペットシートにおしっこの匂いをつけておくといいでしょう。ただし、匂いがついていると嫌がる子もいるので、様子を見て対応してください。

また、筋力が原因の場合、それまで1箇所だったトイレの場所を増やすのもいいかもしれません。立ち上がることも難しいようなら、市販のハーネスを使ったりバスタオルをお腹の下に通したりして、歩行をサポートしてあげましょう。

・自分でトイレができなくなった
老犬になり筋力が低下することで、姿勢を保てなくなったり自力で排尿排便が難しくなります。このような場合は、愛犬が排泄姿勢を保てるよう体を支えてあげ、マッサージや圧迫で排泄を促してあげましょう。
ワンちゃん自身も自分で排泄できないことに戸惑い、しばらくはサポートしても効果が薄いかもしれませんが、根気よく付き合ってあげてください。

・お尻が汚れる
被毛が長いワンちゃんの場合、おしり付近の毛が長いとトイレの際汚れてしまいます。
そのためお尻周りを清潔に保つために、肛門周りやしっぽの付け根あたりの毛を刈って長さを調整してください。
汚れたらウェットティッシュなどで軽くふき取って、汚れがひどい場合はシャワーで洗ってあげましょう。
ただし老犬にシャワーは負担なので、できるだけ短時間で洗ってください。

・下痢や便秘になることが増えた
高齢になれば病気のリスクが跳ね上がるので、まずは病気を疑い動物病院で診てもらってください。
診察の結果、病気ではないようなら、消化器系の機能低下が原因かもしれません。フードを消化に良いものに切り替えたり、一回の食事量を減らして回数を増やしたりして、内臓への負担を軽減しましょう。

下記のページでは、老犬のトイレについて詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
老犬のトイレ事情とは?失敗や粗相する場合の対策、しつけについて 老犬のトイレ事情とは?失敗や粗相する場合の対策、しつけについて

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