【柴犬が凶暴になった・噛むようになった】噛み癖のしつけ方・叱り方

柴犬と生活していくうえで、悩みの1つに挙げられることが「噛み癖」ではないでしょうか。
噛み癖は、ワンちゃんの攻撃性が表面化したことで現れる癖の一つで、元猟犬である柴犬は癖になりやすい傾向があると言われています。ここでは噛み癖の原因から解決策まで詳しく解説していきます。

なぜ凶暴に?まずは柴犬が噛む原因の特定から

噛み癖は、放っておくと大事になりかねません。どうして噛むようになったのかという原因も多種多様なので、優先して直したい癖ではありますが、しつけは難しいのが実情です。
噛み癖をしつけるには、まずは噛む原因を特定し、その上で適切な方法でしつけをしていく必要があります。

どうして噛むの?原因①「歯の生え変わり」

人間の子どもの歯が乳歯から永久歯に生え変わるように、子犬の歯も生え変わる時期があります。
人間の赤ちゃんの場合、歯の生え始めに「歯ぐずり」というぐずり方をするのですが、子犬も似たような状況になります。ただし人間と違うのは、ワンちゃんの場合「噛む」ことでこの違和感を紛らわせようとするのです。

どうして噛むの?原因②「興奮して」

日本犬は、ワンちゃん同士でじゃれ合うことが大好きです。じゃれ合っている最中に興奮してしまい、うっかり噛んでしまうことがあります。これは、相手が人間であっても同様で、遊んでくれる相手だと思うと、じゃれ付いてきくることも珍しくありません。

成長するにつれ自然にやらなくなる柴犬がほとんどですが、成犬になっても続くようなら要注意です。興奮しやすいタイプのワンちゃんの場合、噛んできたら大袈裟に痛がってみせて、やってはいけないことだと教えるようにしましょう。

どうして噛むの?原因③「飼い主の気を引くため」

ワンちゃんは、人の気を惹くために噛む場合があり、これを「要求噛み」といいます。例えば、お腹が空いた時や散歩したい時など、ワンちゃんは噛むことで欲求を伝えてきます。

ここで要求を聞いてしまうと、「噛めばいうことを聞いてもらえる」と考えてしまうので、以降も要求があるたび噛むようになり、噛み癖がついてしまうでしょう。こうした状況を避けるためには、噛まれても無視するのが一番です。

どうして噛むの?原因④「過度なスキンシップの拒否」

柴犬は、独立心が強い性格なので、過度なスキンシップを嫌う傾向にあります。
そのため、洋犬と接するようにベタベタと触っていると、何の前触れもなく突然噛まれることがあります。この場合、柴犬が噛む理由は「止めてほしい」からです。

どうして噛むの?原因⑤「強い縄張り意識から」

「窮鼠猫を噛む」ということわざもあるように、人間もそうですが、ワンちゃんも恐怖を感じたり脅威と感じるもの対して、凶暴になる場合があります。この状況では、縄張りに誰かが侵入した場合と違い、始めから攻撃的なわけではありません。

噛む直前までは、後ずさりしたり唸ったりと、むしろ怯えた態度を取っています。この時、落ち着かせようとして近づいたり手を差し出したりすると、一転して凶暴になり噛みつくことがほとんどです。
また、ケガした箇所や皮膚病の体に触れようとした場合も、防御行動として噛みつく場合があります。

どうして噛むの?原因⑥「恐怖心や防御のために」

柴犬は、警戒心が強いため番犬向きの犬種といわれています。そのため、柴犬が自分の縄張りと思っている場所に、知らない人や犬が侵入するとその対象を噛むことがあるので注意が必要です。

この、縄張り意識から生じる意識は、ほとんどの場合その前の「吠える・唸る」段階で侵入者を追い払うことができるため、噛むまでは発展しづらい傾向があります。しかし、警戒による行動で自分の要求が果たされることから、行動が定着していく傾向にあるため、注意が必要です。

どうして噛むの?原因⑦「ストレスや病気から」

柴犬の噛み癖は、場合によってはしつけの問題ではなく、脳機能の異常や何かしらの病気が原因かもしれません。例えば、脳の器質的な異常や水頭症、脳腫瘍、脳炎などを患っていると、凶暴になることが確認されています。狂犬病に感染した犬が噛みつくこともあるので、一概にしつけができていないことが、ワンちゃんが噛みつく理由とは言い切れません。
噛み癖の原因がしつけ以外の場合、放置しても改善することはないので、早急に獣医さんなどに相談するようにしましょう。

柴犬の噛み癖のしつけ方は?対処法まとめ

元猟犬である柴犬は、噛み癖がつきやすい犬種といわれています。そのため、噛み癖への対策は、他の犬種以上に考えて置く必要があるでしょう。
では、噛み癖にはどのように対処すればいいのでしょうか?

叱る時は低い声で短く

愛犬が何か良くない行動を取った場合、叱ってそれが悪いことだと分からせ、止めさせる必要があります。ただし、叱る場合も原則はあり、やってはいけないことがあるので注意しましょう。

大前提として、叱る場合に限らずどんな状況であっても「叩く」「怒鳴る」といった、ワンちゃんに暴力をふるったり恐怖心を与えるような行為をしてはいけません。それを守ったうえで、例え甘噛みであっても誰かを噛んだら、毅然とした態度で「ダメ!」と、低い声で一言だけ叱ってから無視してください。叱った後はその場を離れて、以後噛まれない距離を保つのもおすすめです。

叱る場合の言葉も、家族全体で統一しておいた方が、叱っている意図が伝わりやすいでしょう。

社会化トレーニングで警戒心を緩和

柴犬は警戒心が強い犬種です。そうした性格が攻撃性として表に出てしまうと、誰彼構わず噛み付いてしまいかねません。
こうしたことが癖になる前に、多くの人や犬と触れ合わせることで慣らしていく、社会化トレーニングを始めるといいでしょう。社会化により周囲との付き合い方を学ぶことで過剰な警戒心がなくなり、攻撃性を抑えることが期待できます。

過度な反応は厳禁!無視が効果的

噛んだら叱るのは大切ですが、叱り方によってはそれが逆効果になることもあり得ます。
当然ですが、ワンちゃんは人間の言葉を理解することができません。そのため、言葉の意味ではなく、飼い主の反応や音によって、独自に良し悪しを判断します。

そのため叱る時に注意したいのは、大きな反応を見せないこと。あまり大袈裟に叱ると、その反応に喜んで、「自分は良いことをしたから構ってもらえた」と受け取られかねません。
そうしたことを避けるため、効果的なのが「無視」です。

例えば愛犬と遊んでいる最中にどこかを噛まれたら、どんな状況であっても遊びを中断して短く低く叱ってからしばらく無視してください。遊んでいる最中に噛む場合、興奮状態にあるので、落ち着いたら遊びを再開します。

そして、再び興奮して噛んだら無視。この流れを繰り返せば「噛んだら遊べない」と、噛むことと嫌なことが結びつくので、次第に噛み癖が落ち着いてくるでしょう。

噛めるおもちゃでストレス解消

柴犬に限らず、歯の生え変わり時期は、口腔の違和感からどうしても甘噛みしてしまいます。この甘噛みが噛み癖になるのは問題ですが、ただ我慢させるのもストレスになってしまうでしょう。

そのため、噛むことを我慢させず、ストレスを発散させるためにおもちゃを与えのもおすすめです。この際選ぶのは、犬用の噛むタイプのおもちゃ。

壊れにくいゴム製のものやワンちゃんが大好きな木製のもの。中には、獣医さん監修によるデンタルケア用のおもちゃもあるので、歯の生え変わり時期には、これら専用のおもちゃを与えれば、噛み癖の予防だけでなく愛犬のストレス解消にもいいでしょう。

関係構築のためにコミュニケーションは大切

犬の祖先といわれている狼は、群れで行動する動物であることもからも分かるように、元々ワンちゃんは社会性が高い動物です。自分以外の他者と社会を形成し、それと関わることで生活してきました。そのため、ワンちゃんを飼ううえで、コミュニケーションを重ねることはとても重要なのです。

柴犬は、忠誠心が強い犬種で、主人である飼い主にはひたすら忠実で、一緒にいることを好みます。ベタベタとした触れ合いは苦手な傾向にありますが、一緒に遊んだりコミュニケーションを取ることには積極的です。

元々が狩猟犬である柴犬にとって、ボール遊びは狩猟本能を満たしてくれます。こうした遊びを交えて、良好な関係を築くことができれば、噛み癖などの問題行動も抑えることができるでしょう。

柴犬の甘噛みはいつまで続く?

子犬は歯が生え替わる3週齢ごろから6~8か月齢頃に、噛みつき欲求が強くなるといわれています。この時期にじゃれるように軽く噛みつく行為が「甘噛み」です。
まだ幼いので噛む力が弱く、加減しているのでケガの心配はありませんが、この時期に噛んだものは将来的に噛み続ける習慣がつきやすくなるといわれています。

子犬の甘噛みはしつけないと直らない

子犬の甘噛みは、成犬になれば自然と落ち着くと思っている方もいるようですが、実は放っておいて直るものではありません。子犬の頃であれば甘噛みですむところ、成犬になって歯が生え揃い噛む力も増してくると、噛み癖が問題行動に発展することになるのです。

甘噛みは、長ければ1~2年続くという説もありますが、厳密に「いつまで続く」とは言い切れません。そのため、「子犬のやることだし…」と甘く考えることなく、噛み癖がつかないように子犬の頃からしっかりとしつけておくことをおすすめします。

成犬の噛み癖は直すのが難しい?


photo by With Associates

噛み癖に限ったことではありませんが、しつけをするなら子犬の頃から始めた方が覚えが早いのは当たり前です。とはいえ、成犬になったらしつけが一切できないかというとそんなことはありません。
それでも、成犬になってからのしつけは、それまで身に付けてきた自分の常識や癖などがあるので、真っ新な状態の子犬と比べて難しいのは事実です。

難しいようなら、プロのトレーナーに任せる

成犬になっても噛み癖が抜けない場合、噛みつきが悪化してしまい、飼い主のしつけでは改善が難しいかもしれません。
どれだけしつけても噛み癖が直らないようなら、大事になる前にプロのトレーナーの手を借りることを考慮されていかがでしょうか?

噛むという行為は、他人を攻撃することなので、他のしつけとは違い、場合によっては家族以外の人に大きなケガを負わせることにもなりかねません。成犬になれば、子犬の頃とは比べ物にならないほど噛む力も強くなるので、ケガのリスクは上がります。

素人の間違ったしつけでは、最悪噛み癖が悪化することもあるので、プロの手に任せるのが最も確実な対処法といえるでしょう。
成犬であっても、「しつけ」は早いに越したことはありません。

特に初心者の方には、早めに「しつけ教室」を利用することで、プロの意見を聞く機会を作るといいでしょう。自治体によっては、無料のしつけ教室を開いている所もあるので、一度調べてみることもおすすめします。

まとめ

「噛み癖」の原因は複数あり、それに合わせた対処法でないと、効果的なしつけができません。そうしたこともあり、ワンちゃんのしつけの中でも、「噛み癖」のしつけは特に難しいといわれています。

柴犬は、元が猟犬ということで、噛み癖が付きやすい犬種です。そのため、他の基本的なしつけと同様かそれ以上に、噛み癖については注意する必要があるでしょう。

そのほかのしつけについては下記のページで詳しく解説しています。参考にしてみてください。
【柴犬のしつけ】子犬のしつけはいつから?どんなしつけが必要? 【柴犬のしつけ】子犬のしつけはいつから?どんなしつけが必要?
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