【柴犬は認知症になりやすい?】症状・予防・治療・介護について

人間同様、ワンちゃんも年齢を重ねれば【認知症】のリスクが高まります。
日本犬である柴犬は、洋犬と比べ認知症を発症しやすい犬種と言われています。そのため認知症について知ることは、愛犬の健康や生活を守るためにも、必要なことといえるでしょう。

柴犬は認知症になりやすい?症状・治療法は?

【柴犬は認知症になりやすい?】症状・予防・治療・介護について

認知症は、脳の神経細胞が壊れることで認識や記憶、判断といった能力に障害が現れ、社会生活に支障をきたした状態です。ある日突然症状が現れるわけではなく、飼い主も気付きにくいくらい少しずつ変化していきます。
一緒に暮らしている中で、愛犬の様子が「ちょっと変だな?」と感じたら、見過ごさずに一度動物病院に行ってください。

夜鳴きが出たら認知症を疑おう

認知症は、加齢による物忘れとは違い、脳の神経細胞の変性によって起こる脳機能の低下です。認知症になると、以下のような症状が現れます。

・見当識障害
見当識障害とは、時間と場所、人などがわからなくなる状態です。具体的には、「慣れている場所で迷子になる」「知っているはずの人を認識できない」「障害物を避けられない」などの症状です。特に引っ越しなど、生活環境が変わった時に強く現れる症状です。

・飼い主への対応の変化
名前を呼んでも反応しなくなったり、撫でられることや遊ぶことに興味がなくなったりします。ほかにも、「まて」や「おすわり」といったコマンドへの反応が鈍くなり、それまでの飼い主と愛犬という関係性が変化します。

・睡眠、覚醒時間の変化
認知症になると、睡眠に充てる時間帯も変化します。日中活動して夜間に眠るのが一般的だった生活スタイルから一転して、日中の睡眠が増え夜間に起きるようになり、生活が昼夜逆転することも多いです。また、高齢になると睡眠時間が短くなりがちですが、長時間起きているかと思えば長時間眠ることもあります。

・排泄の変化
人間の認知症同様、ワンちゃんも認知症になると排泄の問題で出てきます。トイレトレーニングも終えて、それまで完璧だったトイレも、認知症になるとトイレ以外の場所で排泄するようになったり、失禁したりすることが増えます。

・行動の変化
認知症になると、普段の行動にも変化が現れます。例えば、それまでまったくなかった夜鳴きをするようになったり、無意味に鳴き続けたり、移動するでもなくグルグルと同じ方向に回り続けるといった行動が増えます。また、ご飯を食べたばかりなのに、すぐにご飯を要求することもあります。

認知症は根本的な治療法がない

人間の認知症と同じように、ワンちゃんの認知症にも根本的な治療法は見付かっていません。一度発症すると改善することはなく、少しずつではあるものの確実に進行していきます。そのため、治療は進行を遅らせるための対症療法で、早期発見・早期治療が重要なポイントになります。

「愛犬と飼い主さんが残された時間を幸せに過ごせるよう、生活の質や関係性を維持すること」を目的に治療は行われます。

治療は、食事やサプリメント、投薬によって行われますが、効果には個体差があるため、最適な治療法を見つけるまでに時間がかかることも珍しくありません。

サプリメントは予防になる?飼い主ができること

認知症は、一度発症すると根本的な治療ができません。そのため、日々の生活に気を付けて予防を心掛けることが何よりも大切です。抗酸化物質を多く含む食事と規則正しい生活、そして、適度な運動や遊びで脳に刺激を与え、愛犬を認知症のリスクから遠ざけてあげましょう。

日々の生活にちょっとした変化を

変化がなく、単調な毎日は認知症のリスクを高めるといわれています。同じ時間に同じ内容の食事、散歩のルートも時間も同じ、昼寝し放題では、刺激もなく脳の機能はどんどん衰えていくでしょう。

そのため、認知症を予防するのためには、日々の生活に変化を取り入れ、脳に新たな刺激を与えることが重要です。変化といっても何かを劇的に変える必要はなく、例えば散歩のルートを毎日少しだけ変える、舗装されていない道を歩くなど、ちょっとした変化を加えることが、愛犬への刺激になります。

遊びながら脳に刺激を

遊びは、ワンちゃんにとって運動不足解消やストレス発散になるだけでなく、適度な刺激による認知症予防にもなります。

遊びといっても、毎週ドッグランに通うといった時間がかかるようなことはする必要がなく、例えば「おすわり」や「まて」を毎日10分程度やるだけでもずいぶん違うでしょう。

体を使う遊びが好きな子もいれば、頭を使う遊びが好きな子もいるので、愛犬の好みに合わせて遊んであげる時間を作ってあげれば、いい刺激になります。

また、上手にできたら思い切り褒めてあげることで、良いスキンシップにもなります。柴犬は飼い主に喜んでもらうことを嬉しいと感じるので、「飼い主の言葉に応えて褒められる」という流れも、脳への刺激になるでしょう。

栄養補給にサプリメントを取り入れる

認知症予防に用いられるサプリメントには、抗酸化物質を含むものやワンちゃんの不安を軽減したり睡眠リズムを戻すためのものなど、様々な種類があります。こうしたサプリメントを上手に活用することで、効果的に栄養を取り入れることができます。

認知症になりやすい柴犬をはじめとした日本犬であれば、7才頃から抗酸化物質を含んだサプリメントを与えるといいでしょう。

また、近年の食生活の変化により不足しがちなDHAやEPAも、サプリであれば手軽に摂取することができるのでおすすめです。サプリメントのほか、煮干しなどの青魚をごはんやおやつに加えるのもよいでしょう。

マッサージは脳の刺激になる

マッサージで全身に刺激を与えることで、脳にも刺激が伝わり、認知症の予防にも効果があります。また、認知症の予防という目的以外にも、スキンシップを通して愛犬のちょっとした変化にも気付くきっかけにもなります。

過度に力を入れないように、優しく撫でる程度でも十分ワンちゃんは喜んでくれるでしょう。

認知症になってしまったら介護は?

日本犬は認知症のリスクが高いので、柴犬を迎えた時点である程度の覚悟は必要かもしれません。では、もしも愛犬が認知症という診断をされたら、生活は、介護はどうすればいいのでしょうか?

環境の整備でケガを予防

認知症のワンちゃんは行動が読めないうえ、危険から身を守るための判断力が鈍っているので、ちょっと目を離した隙にケガをしてしまうことがあります。

そのため、生活圏内であるリビングに円状のサークルを設置することで、危険なものから遠ざけるなど、愛犬にケガから守るための対応が必要です。

子ども用のビニールプールを使ったり、ウレタンマットをサークルに取り付けたりして、ケガをさせないよう工夫している方もいらっしゃいます。

認知症のワンちゃんは、常に一緒にいてあげたいところですが、お留守番させる時のことを考えて、ひとりでも大丈夫な環境を整えてあげましょう。

夜鳴きへの対処法

老犬の夜鳴きは、夜通し吠え続けるため、家族はもちろん近隣への迷惑を考えると早急に対応しておきたい問題です。認知症に由来する夜鳴きは、加齢による昼夜逆転が起きることもあり、体内時計のリズムが崩れることが原因といえます。

そのため、昼間に活動して夜中に眠らせるよう、生活のサイクルを整えてあげるといいでしょう。対処法の1つとして睡眠導入剤を使うという手もありますが、副作用の心配もあるので、事前に獣医さんと相談したうえで使用してください。

夜鳴きをそのまま放置すると、飼い主の不眠や近隣とのトラブルといった、ほかの問題にまで発展する可能性があるので、場合によっては老犬ホームに預けることも考えておくといいでしょう。

一人で抱え込まずサービスの利用を

近年は、人間の認知症と同様、犬の認知症も広く認識されようになりました。
そうした社会の変化に伴い、ペットホテルやペットシッター、デイケアサービスなど、サポートしてくれる施設やグッズも増加しています。

愛犬の飼い主とはいえ、認知症の対応に関しては素人です。もしもの時には、プロの手に頼ることも選択肢にいれておけば、共倒れという最悪の結果を回避することができるでしょう。

愛犬との最後の思い出を、辛いものにしないためにも、一人で抱え込まず、周囲に相談し頼りながら認知症と付き合っていけるように、大丈夫なうちから準備を始めることをおすすめします。

まとめ

柴犬を飼う上で、認知症のリスクは考えておかなければならない問題です。
認知症のリスクを少しでも低くするために生活環境を整え、万が一発症した場合どうすればいいか、考えておくといいでしょう。

普段の生活環境など、柴犬の飼い方についてもっと詳しく知りたいという方は、下記ページで詳しく解説しています。将来愛犬に何があってもいいように、もしもの時に備えて一度ご覧ください。
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