【柴犬の肥満対策】肥満度チェック・ダイエット方法・病気のリスク

愛犬の健康を維持するためには、肥満の予防が大切です。肥満は傷病のリスクを高めるだけでなく、場合によっては命に関わることすらある重要な問題と言えます。
では、愛犬が肥満かどうかどのように調べて、肥満であった場合どうダイエットさせればいいのでしょうか?

柴犬の肥満度をチェック!まずは適切な体型の把握から

【柴犬の肥満対策】肥満度チェック・ダイエット方法・病気のリスク

愛犬が肥満かもしれないと思ったら、まずは肥満度をチェックしてみましょう。肥満という判定が出たら、次に知っておくべきはどれだけ適正体重を超過しているのか、肥満度のチェックをする必要があります。

大切なのは体重よりも体型

肥満予防というと、どうしても体重を意識してしまいがちですが、健康を維持するためには、体重よりも体型の変化を気に掛けるようにしましょう。

ワンちゃんの体型をチェックする方法として、「BCS(ボディコンディションスコア)」というものがあります。これは、ワンちゃんの痩せ具合、太り具合をあらわす指標のことで、見た目や触れた感触で、体型を9または5段階で評価する方法です。

BCSによる体型チェックのポイントは肋骨と腰で、見た目や触れた時の脂肪の着き具合から、スコアを算出します。

柴犬の体重に関しては、下記ページで詳しく解説しています。
柴犬の食事量や回数は?子犬、成犬、老犬別 柴犬の食事量や回数は?子犬、成犬、老犬別

ワンちゃんには太りやすい時期があります

柴犬を含め、犬は生涯で3度、肥満になりやすい時期が存在します。
「今までと同じ生活をしていたのに、いきなり太った」という場合は、この時期である可能性があります。事前に知っておくことで対応が可能なので、備えておきましょう。

避妊去勢手術後とシニア期以降は肥満のリスクが増大

ワンちゃんは、一生で太りやすい時期が何度か訪れます。

1度目は、避妊去勢手術を行った直後、ホルモンバランスが崩れることで訪れます。知らずに同じペースで食事させていると、あっという間に肥満体型になってしまうことも。一般的に避妊去勢手術は、成長期の生後7ヶ月以降に行う場合が多いので、仮に体重が増加しても成長によるものなのか判別しづらいので、注意しましょう。

2度目は、7~8歳頃のシニア期に入るタイミング。この年齢になると代謝が落ちるため、人間と同じくワンちゃんも中年太りしやすくなる傾向があります。この時期に差し掛かってきたら、獣医師に相談してフードをシニア用に変えるといいでしょう。

3度目は、11~12歳の老年期に差し掛かる時期です。甲状腺機能の低下などで体がむくむこともあるので、体型の変化には十分注意してください。

柴犬の肥満は放っておくと病気のリスクも?

肥満は関節や心臓に負担がかかるため、肥満ではないワンちゃんと比べると、病気やケガのリスクが大幅に高くなります。また、場合によっては糖尿病などの重篤な病気を発症することもあるので、「太っているだけ」と安易に考えず、できるだけ早い対応を心掛けましょう。

肥満は寿命にも影響

2002年、同じ親から生まれた兄弟犬でも、肥満により寿命が短くなるという研究結果が報告されました。これは、犬の肥満に関する論文の内容で、食事制限の有無により2.5年ほど、人間の寿命に換算するとおよそ10歳の差が現れたそうです。

また、2018年の「BCSと寿命に関する論文」によると、オスメスを対象として調査を行い、肥満傾向にあるBCSで半年~2年以上も寿命が短くなる結果がわかりました。

これら2つの調査内容から、愛犬が健康で長生きするためには、肥満にさせないことが大切ということが明らかになりました。

肥満が原因で発症する病気

・尿路結石
肥満は、様々な病気のリスクをあげる要因にもなります。特に尿路結石とも関係があるその理由として、脂肪の代謝により尿中のシュウ酸濃度が高くなり、シュウ酸カルシウム結石ができやすく、尿路結石や膀胱結石になりやすい環境になってしまうのです。

・糖尿病
肥満になると、膵臓から分泌されるインスリンが不足して血糖値が上がってしまうため、糖尿病に気を付けなければなりません。糖尿病が進行すると、重篤な合併症をを引き起こし、最悪死亡する可能性もあります。
一度糖尿病を患うと、命を守るために一生涯治療が必要になることもあるので、たかが肥満と甘く見ないでください。

・膵炎
膵炎は、強い炎症が全身に及び、重篤化すると多臓器不全の合併症を引き起こす恐ろしい病気です。糖尿病と同様、一生涯治療が必要になることもあります。

・関節炎
肥満になり体重が増加すると、四肢や腰の関節に負担がかかるので、関節炎になりやすくなります。命に関わるような病気ではありませんが、慢性化すると痛み止めの服用が必要になり、いずれ寝たきりになることもあります。

・心不全
主原因として、老化による部分が大きい心不全ですが、肥満も心臓に負担をかけることになる、心不全の要因の1つです。心不全を患うと、呼吸不全や動悸息切れ、咳をするなどの症状が現れます。

病気が原因で体重が増えることも

・甲状腺機能低下症
代謝を司る甲状腺ホルモンなどを分泌する、甲状腺の機能が低下する病気です。
甲状腺ホルモンは、エネルギーをはじめ、体をかたちづくる蛋白、脂質、ビタミンなどの利用、合成、排せつなどの代謝に影響します。甲状腺の機能が低下すると低体温や肥満、皮膚の色素沈着、脱毛といった皮膚の異常などの症状が現れます。

・クッシング症候群
別名「副腎皮質機能亢進症」とも呼ばれる、病気で人間や猫にも見られる病気です。なんらかの原因により、副腎皮質から過剰にホルモンが分泌され、体幹の周りに過剰な脂肪がつき、顔が丸く膨らみ皮膚が薄くなる症状が見られます。

肥満と判定されたら!柴犬のダイエット方法

適正体重を維持するためとはいえ、無理なダイエットは禁物です。
まずは動物病院で診察してもらい、愛犬が肥満体型と判定されたら、ダイエットの計画を立ててください。獣医さんにダイエットプログラムを組んでもらうのもいいでしょう。

運動よりも食事の見直しが必要

ワンちゃんのダイエットは、運動ではなく食事療法による減量が中心となります。
基本的にフードを使用して、ダイエット用のフードに変える場合は獣医さんと相談したうえで与えるようにしてください。また、1日に与えるードの量も、獣医さんと相談して決めましょう。パッケージに表示されている量ではなく、減量時の愛犬に最適な量を与える必要があるためです。

ダイエットは即効性を求めるのではなく、2~3ヶ月かけてゆっくりと.、無理のない適度な運動を毎日行うことで体重を落としていきます。愛犬がストレスをためないよう、同じ量でも回数を小分けにして食事の回数を増やすなどの工夫をしてみるといいでしょう。
週1回は体重を測り、しっかり記録すると、視覚的に経過が確認できるのでおすすめです。

肥満時に運動させる際の注意点

減量時とはいえ、過度な運動をさせるのはよくありません。
上述したように、ワンちゃんのダイエットは食事で体重を落とすのが基本となるので、運動はいつも通りにの散歩量・時間にしましょう。

肥満の状態は、ただでさえ心臓や足腰に負担がかかっているので、運動量を増やすと減量する前に体に不調を来すことになりかねません。
確かに運動は大切ですが、それも健康あってのことなのです。

こんな状態はダイエット中止のサイン

ダイエット中でも、体に不調が現れたら、即刻中止しましょう。
例えば、十分な知識がない人が手作りのダイエットフードを与えた場合、何かしらの栄養素が不足してしまうことがあります。「毛がパサつく」「肉球が冷たい」「爪が割れる」などの症状が現れたら、栄養が足りていない可能性が高いです。

このような状態になったら、すぐに市販のドライフードに切り替えて、動物病院を受診するようにしよう。

まとめ

肥満は病気の元です。愛犬に、いつまでも健康で長生きしてもらうためには、体に負担をかけない適切な体重で生活するひつようがあります。

体重が気になり始めて、ダイエットをさせる場合、食事制限による減量が基本です。肥満の状態はそれだけで体に負担をかけているため、過度な運動は減量以前に体調を崩すことになりかねません。

普段の生活環境など、柴犬の飼い方についてもっと詳しく知りたいという方は、下記ページで詳しく解説しています。愛犬の健康を守るためにも、一度ご覧になってみてください。
初心者向け柴犬の飼い方 初心者向け柴犬の飼い方
専門家であるブリーダーから柴犬を迎えるなら、事前に柴犬の食事や運動など、的確なアドバイスをくれるので、初心者でも安心して柴犬の飼い主になることができるでしょう。また、お迎え後も、悩みや疑問など相談すれば、気軽に相談に乗ってくれるので、心強い味方になってくれます。

ブリーダーナビは、安心価格と取引保証で、顧客満足度98.9%!掲載されているワンちゃんの頭数も日本最大級の子犬販売サイトです。「柴犬の子犬を迎えたい」と検討中の方は下記の「柴犬の子犬を探す」のボタンから、ぜひ一度ご覧になってください。

柴犬の子犬を探す