公開日:2016/2/9

最終更新日:2019/4/4

トイプードルがなりやすい「膝蓋骨脱臼」はどんな病気?

    トイプードルの足に異変…?

    トイプードル
    photo by Yasuhiko Ito

    足の関節が柔らかく、ピョンピョン跳ね回る姿が愛らしいトイプードル。他の犬種と比べると柔軟性が高いため、動きも独特です。そんなトイプードルの足は、膝蓋骨脱臼を起こしやすいといわれています。

    膝蓋骨脱臼は様々な犬種で発症する病気ですが、トイプードル・チワワ・ポメラニアン・マルチーズ・ヨークシャーテリアなどの小型犬に多く見られる病気です。詳しい発症のメカニズムは分かっていませんが、人為的な小型化が病気の発症率を高めていると言われています。

    まずは膝蓋骨脱臼の症状について確認して、病気への理解を深めましょう。

    「膝蓋骨脱臼」とは

    不自然な歩き方は初期症状かも…

    愛犬のトイプードルの歩き方を見ていて、違和感を覚えたことはありませんか?例えば後ろ足をかばうように跳ねたり、スキップをするような動きを見せていたり、つま先立ちで歩いていたり…。こうした症状は、膝蓋骨脱臼の初期症状として知られています。

    もし不自然な歩き方や動きに気づいたら、すぐに病院に連れて行き獣医さんに確認してもらいましょう。

    そもそもどんな病気?

    膝蓋骨脱臼は、別名「パテラ」とも呼ばれています。トイプードルをはじめとする小型犬に多い病気ですが、中~大型犬でも発症します。

    膝蓋骨とは膝のお皿のことで、膝蓋骨脱臼は膝蓋骨が正常にはまらず、太ももの骨から外れてしまう状態をいいます。完全に外れた状態を脱臼というのに対し、不完全に外れた状態を亜脱臼といいます。また、お皿が内側にずれた状態を内方脱臼、外側にずれた状態を外方脱臼と分類します。

    この病気にはレベルが4段階あり、初期段階ではトイプードルは痛みを感じることなく生活を送ることができるため、飼い主はなかなか気付くことはできません。しかし、重症化すると膝蓋骨は常に脱臼した状態となるため、歩くことが困難になってしまいます。

    先天性?それとも後天性?

    膝蓋骨脱臼は「先天性」と「後天性」に分けられます。先天性の場合は、膝関節や膝関節周囲に遺伝的な形態の異常が存在します。そうした異常は加齢とともに悪化し、生後4ヶ月頃から膝蓋骨の脱臼として症状が現れます。日本動物遺伝病ネットワークでは、膝蓋骨脱臼をなくしていくために遺伝疾患の恐れのある犬は血統書に登録して把握できるようにして、この病気を持った犬を増やさないようにと呼びかけています。

    後天性の膝蓋骨脱臼は、外から大きな力が加わったことが原因になり引き起こされます。具体的には、交通事故や高い場所からの着地、転倒などが挙げられます。また、家の床がフローリングで滑りやすいこと、階段の昇り降り、ソファからの飛び降りなどちょっとした日常生活の動作がきっかけとなって発症することもあります。その他、肥満で足に負担がかかったことや、骨に関連する栄養障害なども原因になり得ます。

    グレード1~2

    膝蓋骨脱臼のグレード1は、トイプードルも痛みを感じておらず、歩き方にもほとんど違和感はありません。膝の骨が自然に外れることはなく、足に負担がかかって外れたとしてもすぐに戻ることがほとんどです。飼い主がグレード1の段階で気づくことはあまりありません。

    グレード2になると、足をかばうような動きをしたり、ピョンピョン不自然な動きをしたりと違和感を覚えます。この頃になると症状に気づく飼い主も多いでしょう。グレード2の関節の状態は非常に不安定で、常にグラグラしています。ちょっとしたことで脱臼し、自然に戻ることはありません。そのまま処置をせずに放置すると、症状が悪化して骨が変形してしまいます。

    グレード3~4

    グレード3にもなると、常に骨が外れた状態になります。指で押すとはまるものの、指を離すと外れてしまいます。痛みのせいか後ろ足を引きずり、独特な歩き方をします。このグレード3から手術が必要となってきます。

    最終段階のグレード4は常に骨が外れた状態で、手術をしない限り外れた骨を戻すことはできません。骨の変形も重度となり、脱臼した足を浮かせて歩くようになります。

    治療法は?

    膝蓋骨脱臼は進行性の病気であり、自然に治癒することはありません。グレード1~2の軽度な状態であれば、鎮痛剤やレーザーなどを用いて一時的に関節炎症状を抑える「保存的治療」が行われます。完治が望めるわけではありませんが、マッサージをしたり、食事にサプリメントを取り入れたりすることで再脱臼を防止できるケースもあります。

    根治治療となると「外科的治療」の整復手術が行われます。通常グレード3までの手術が推奨されていますが、手術法や適切な手術時期は関節周囲の状態などを見て決められます。

    膝蓋骨脱臼の手術はグレードや手術内容にもよりますが、平均して1~2週間程度です。全身麻酔を行うため、術前には血液検査や心電図などの検査をします。退院後は、再脱臼を防ぐため自宅でも4~6週間程度は絶対安静です。その後、リハビリをしなくても普通に歩ける子も多いですが、足の違和感から3本足で生活してしまう子も多いようです。その場合は浮揚力を利用した「水中トレッドミル」で歩行訓練を行います。

    早期に発見して手術を行えば、手術時間や入院期間が短縮され、回復も早まります。グレードが進行すると手術ができない場合もあるので、早期発見・早期治療に努めましょう。

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