ボーダーコリーに「まて」や「おすわり」などを覚えてもらおう!

1.訓練を通してボーダーコリーと信頼関係を深めよう!

ボーダーコリーは作業が好きな牧羊犬

ボーダーコリーに「まて」や「おすわり」などを覚えてもらおう!
photo by Kelly Hunter

イングランド原産のボーダーコリーはもともと牧羊犬です。祖先はトナカイの牧畜を行っていたなど、長きにわたって人の作業を手伝う使役犬として活躍しています。
作業意欲の高いボーダーコリーはとても頭が良く、判断力に優れ、深い洞察力を持ちます。

この高い能力は、家庭犬で暮らすボーダーコリーにとって「まて」や「おすわり」といった訓練をする際に活かされます。飼い主の指示に従い行動する訓練は、ボーダーコリーが好む作業と一緒なのです。ぜひ作業を好むボーダーコリーの性質を活かし、訓練を通して信頼関係を深めていきましょう!

しつけや訓練をはじめる前に知っておくといい事前知識については、下記ページも参考にしてみてください!
ボーダーコリーのしつけ方は?飼い始めに知りたい基本知識 ボーダーコリーのしつけ方は?飼い始めに知りたい基本知識

家庭犬でも訓練は必要?訓練の目的とは

服従訓練はワンちゃんの命を守り、人間社会で安全に暮らしてもらうためにも大切なことです。中でも「まて」「おすわり」「ふせ」「つけ」「こい」などは訓練の基本。

こうした訓練を学び、それが自分にとってメリットのあることだと学習すると、ワンちゃんは自らその行動をとるようになります。特に自分で考え判断するボーダーコリーは、訓練を積むほどに優秀なワンちゃんに育ってくれるでしょう。

訓練を積むと、以下のようなメリットを得られるようになりますよ。

〇「まて」や「ふせ」など抑制の訓練をマスター
→子どもへの飛びつきや、急な走り出しを止めることができる

〇「おすわり」の訓練をマスター
→人通りや交通量の多い場所、信号待ちの際にも落ち着いて座って待つことができる

〇「つけ」の訓練をマスター
→どんな散歩ルートでも、動揺することなく落ち着いていられる
→飼い主のそばを歩くことで、車やバイク、自転車との事故を防止できる
→リードを引っ張らなくなり、飼い主の負担も減る

〇「こい」の訓練をマスター
→ドッグランなどで興奮したワンちゃんを呼び寄せ、落ち着かせることができる

基本の訓練をマスターするとさまざまなことに応用ができますし、なにより愛犬と周囲への安全を確保することができます。

ボーダーコリーは訓練があってこそ高い能力が活かされる!

ボーダーコリーはドッグスポーツなどでも活躍する賢く優秀なワンちゃんとして知られています。ただ、当然ながら、こうした優秀なワンちゃんはきちんと訓練されているのです。

訓練されていないボーダーコリーの中には、ほかのワンちゃんに噛みついたり、人に飛びついたりする子もいます。

賢いワンちゃんだからと油断せず、きちんと訓練を行い、生まれ持った高い能力を活かして優秀なパートナーとして育てていきましょう。

2.早速服従訓練をしよう!

おすわり

基本訓練のひとつである「おすわり」は、信号待ちやほかのワンちゃんへの飛びつき、車やバイクの追いかけなどを抑制できる実用的なものです。
特に牧羊犬のボーダーコリーは動く物を追いかける習性があるため、おすわりで行動を抑制できるようにしておくと、散歩も安全に行えます。

〇教え方
方法1
・おやつまたはドッグフードなどのご褒美を手に持ち、ボーダーコリーの鼻先に持っていく
・手を少しずつ後頭部の方へ移動させ、お尻が床につくのを待つ
・お尻が床につく瞬間に「おすわり」と声をかける
・お尻が完全に床についたら「ヨシ」「イイコ」「カシコイ」といった褒める言葉をかけ、おやつを与える

方法2
・「おすわり」と声をかけながら、ボーダーコリーのお尻を押しておすわりの体勢を作る
・お尻が床についたらたくさん褒める

どちらの方法も、「おすわりという声掛けと共に、お尻を床に付けたらおやつをもらえた、褒めてもらえた」と学習させることが目的です。

〇注意点
間違えてもできなくても、叩いたり叱ったりしてはいけません。その指示が嫌いになってしまいます。また、褒める言葉、指示の言葉は家族で統一しましょう。
これらの注意点は以下で紹介する訓練も共通です。

ふせ

後ろ足と前脚を曲げて体を地面にふせる姿勢を「ふせ」といいます。リラックスした姿勢であるため、長時間待ってもらいたいときや、ほかのワンちゃんとすれ違うとき、争いごとを避けたいときにも使うことができます。
おすわりの姿勢からスタートするため、おすわりをマスターしたら挑戦しましょう。

〇教え方
方法1
・おすわりの姿勢を指示する
・ご褒美を持った手をボーダーコリーの目線に持っていく
・徐々にその手を地面の方へ下げ「ふせ」の声掛けをすると、ボーダーコリーが自然とふせる姿勢になる
・前脚を床につけ、ふせることができたらご褒美を与えて言葉でも褒める

方法2
・リードをつなぎ、飼い主の横でおすわりをさせる
・リードを持っていない方の手を地面に近づけ、リードも徐々に下に下げていく
・「ふせ」の声掛けと共にふせの姿勢をとらせる
・できたらたっぷり褒める

方法3
・手にボールやフリスビーを持つ
・おすわりの姿勢から、ボールなどのアイテムを地面に下げ「ふせ」の声掛けと共にふせの姿勢をとらせる
・ふせができたら「ヨシ」などと褒め、ボールを投げそのまま遊びに入る

ふせをしたあとに遊んでもらえると学習すると、喜んでその指示に従うようになります。

つけ


photo by Peet de Rouw

「あとへ」「ヒール」などとも呼ばれる「つけ」は、ボーダーコリーが飼い主の横について少し後ろを落ち着いて歩けるようになる訓練です。
リードを引っ張ってグイグイ前へ行ってしまう、散歩は常に猛ダッシュというワンちゃんのお悩みも改善できます。また、急な飛び出しなどによる事故やトラブルも防止できます。

〇教え方
ステップ1:横についてみよう「つけ」
・飼い主はボーダーコリーのリードを持ちまっすぐ立つ
・ワンちゃんの鼻先でご褒美を持ち、飼い主の横にくるように手で誘導する
・鼻先が飼い主よりも前に出ない位置で、「つけ」という声掛けと共に横につかせる
・アイコンタクトをとり、できたらたっぷり褒めてご褒美を与える

ステップ2:歩いてみよう「あとへ」
・ステップ1の流れでボーダーコリーを飼い主の横につける
・「あとへ」の指示と共に、ワンちゃん側の脚から少し歩いてみる
・横をついて歩けたら「ヨシ」「イイコ」などと統一した褒め言葉をかける、ご褒美を与えても良い
・2~3歩、5歩、10歩と歩数を次第に増やし、常にそのウォーキングができるようにする

飼い主の横について歩くことをリーダーウォークとも言います。ワンちゃんが安全に街や道路沿い、公園を歩くために必要なものですので、ぜひ訓練を積みましょう。

〇注意点
リードは伸縮性のあるものや長すぎるものは適しません。長すぎない程よいリードと、シンプルな首輪を用意しましょう。
ワンちゃんがリードを引っ張る、前を歩くようであればストップをかけ、もう一度「つけ」から練習していきます。

まて

「まて」はおすわりと同様に、必ずマスターしておきたい訓練のひとつです。
ボーダーコリーが興奮したとき、散歩中に猫や鳥が前を横切ったとき、後ろから車やバイクが追い越してきたときなどにも「まて」ができると冷静でいられるため、思わぬトラブルを回避できます。

〇教え方
方法1
・手にご褒美を持ち、「まて」と声をかける
・はじめは1秒でも待てたらご褒美を与える
・次第に3秒、5秒、10秒と、「まて」の時間を長くする
・15秒ほど待てるようになったら外出先でも練習しましょう

方法2
・「つけ」の指示をする
・「まて」の声掛けと共に飼い主が数歩前に出る
・動きそうになったら「おすわり」をかける
・数秒でも待てたらご褒美を与える

〇注意点
屋外で「まて」の練習をするときは、いきなり走り出さないように必ずリードを持っておきましょう。いきなり数十秒も待つことはできないため、1秒からはじめていきます。

まとめ

「おすわり」「まて」「ふせ」「つけ」などの基本的な訓練を行うと、ワンちゃん自身も人間社会で生活しやすくなります。ワンちゃんにとって私たちが暮らす環境は興味を引くもの、そして刺激を受けるものばかりです。車やバイクなどに吠えたり反応を示したりするのは当然のこと。しかし訓練を積み、こうしたものが自分にとっては関係ないもの、害のないものだと学習していきます。その学習ツールとしても訓練は非常に大切です。

「おすわりが楽しい!」「ふせをすると大好きな飼い主が喜ぶ」、こんな風に、おやつを与えなくてもその行動を楽しいと思ってもらえるように、ご褒美の与え方なども工夫していきましょう。

下記ページでもボーダーコリーの飼い方について解説しているので、併せてご覧になってくださいね。
【初心者向け】ボーダーコリーの飼い方やしつけ方は? 【初心者向け】ボーダーコリーの飼い方やしつけ方は?
以下のリンクからはボーダーコリーの子犬とそのブリーダーをチェックできます。ぜひこちらもご覧くださいね。

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