老犬の食事やトイレの介護はどうする?環境や必要なものを解説

散歩の介護


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年齢が如実に現れるのが、足腰の衰えです。動きが緩慢になったり、疲れやすくなったり。それまで毎日できていた散歩の途中で、疲れて動けなくなることもあるかもしれません。
無理をする必要はありませんが、散歩はワンちゃんにとって大切な日課です。できることなら、年齢に合わせてた散歩メニューを考えてあげてください。

愛犬の行動をチェック

・歩くのが遅くなった
高齢になれば運動能力も低下するので、散歩時など歩行速度が遅くなるのは仕方ないでしょう。しかし、場合によってはケガや病気など、何かしら異常があるかもしれないので確認してみてください。

足を伸ばしたり曲げたり足の裏を確認したりして、痛がる素振りを見せるようなら動物病院に連れて行くことをおすすめします。
このほか、呼吸が乱れていたり、咳を頻繁にするような場合は心臓病が疑われるので、至急
獣医さんに相談してください。

・散歩の途中で帰ろうとする、歩くのをやめる
年齢を重ねてシニア犬になれば、筋力や体力が低下してしまい、それまで難なく歩いていた散歩コースでも、息切れしたり疲れてしまうようになります。

そのため、散歩の途中で歩くのを完全に止めるようなら、一度散歩の距離を短くするようにしましょう。また、毎日同じ場所で帰ろうとする場合、散歩ルートに怖いものや嫌いなものがあるのかもしれないので、その場合は散歩コースを変えてください。

その場で少し立ち止まる程度なら、先に進むようにリードで軽く合図をして、応えないようならご褒美のおやつをあげるなどして、散歩を再開するよう促しましょう。

・歩けなくなったとき
老犬は脚力の衰えから歩くのを嫌がるようになり、自宅から離れる散歩に出ることを拒否することがあります。あまりに嫌がるようなら、抱っこしてあげたり、カートに乗せるなどして散歩するようにしましょう。

散歩の行き道は抱っこしてあげたりカートに乗せて、帰り道は自分で歩かせるほか、疲れたらいつでも帰れるように、散歩コースを家の周りに限定するのも有効です。

・暑さと寒さ対策
ワンちゃんは元々寒さに強く暑さに弱いものですが、高齢になると寒暖差に対する抵抗力がなくなるので、暑さは元より寒さへの対策も講じる必要があります。
例えば、夏なら涼しい早朝や夜間、冬なら比較的暖かい日中に散歩するようにしましょう。

下記のページでは、より詳しく老犬の散歩について解説しています。こちらも参考にしてみてください。
老犬の散歩方法とは?立ち止まってしまうのは? 老犬の散歩方法とは?立ち止まってしまうのは?

無理のない範囲でお手入れを


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老犬になっても、清潔に保つためのお手入れは必要です。とはいえ、ワンちゃんによっては、高齢になってお手入れを嫌がる子もいるかもしれません。無理なく受け入れてくれる範囲で、お手入れをしてあげましょう。

お口の中をチェックしましょう

老犬になると歯や歯茎などの口腔も衰えていき、虫歯や歯周病のリスクが増大します。虫歯や歯周病は、高齢になりただでさえ衰えている食欲や体力の低下に拍車をかけるので、少しでも長く健康に食事ができるよう、歯磨きは欠かさずに行うようにしましょう。

「口臭がひどい」「口腔内を触れられることを嫌がる」といった場合は、すでに歯周病を患っているかもしれません。歯周病は自宅での歯磨きでは対応しきれないので、獣医さんと相談したうえで、治療方針を決めましょう。

夜鳴きや無駄吠えをするようなら


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老犬の夜鳴きは、飼い主の頭を悩ませる問題の1つです。
飼い主が夜眠れなくなるだけでなく、近所迷惑にもなるので、愛犬が夜鳴きするようなら早急に対策しましょう。

不安を感じている

年老いればワンちゃんも人間同様、視力や聴力が衰えてしまい、飼い主の存在を感じることが若い頃と比べ難しくなるので不安を感じて鳴くことがあります。

愛犬をできるだけ不安にさせないように、眠っている時も起きている間も、普段からそばにいてあげるようにしましょう。

なにかを要求している

老犬になると、欲求に対する自制が弱くなりワガママになる傾向があります。
例えば、「お腹が空いた」「トイレに行きたい」「寝床が暑い」など、それまでは我慢できていたことが我慢できなくなり、鳴くことがあります。

基本的には要求に応えてあげ、あまりにもわがままが目に余るようなら我慢させるようにしましょう。わがままをさせないよう、食事の時間やトイレの場所などの工夫をするのもいいかもしれません。

病気やケガ、認知症の可能性も

高齢になるほどリスクが増大する認知症も、夜鳴きの原因の1つです。認知症の老犬は、昼間に眠る時間が長くなるため夜起きている時間が長くなります。
このタイプの夜鳴きは、「日光浴をさせる」「昼間に眠らせない」「運動で疲れさせる」などを心掛け、昼夜のバランスを保つことで対策してください。

どうしても夜に眠ってくれない場合は、動物病院で睡眠導入剤を処方してもらう方法もあります。ただし、ワンちゃんの体質によっては効果が薄かったり、逆に効きすぎて危険なケースもあるので、獣医さんの指示を守ったうえで使用してください。

寝たきりになってしまったら

高齢になれば体の衰えは避けられず、場合によっては寝たきりになってしまうこともあるでしょう。寝たきりになれば、介護は避けられず多くの時間を費やすことになります。

寝たきりの介護と床ずれ予防

高齢になると体力や筋力の低下から、動くことを嫌がり寝たきりになってしまうことがあります。

寝たきりになると「関節が固まる」「床ずれを起こす」といった症状が現れるので定期的に体を動かしたり寝返りを打たせたりするといいでしょう。また、血行を良くするために体をさするなど軽いマッサージをしてあげるのも効果的です。

一度寝たきりになっても、丁寧に介護を続けていれば立って歩き出すこともあります。もしも愛犬が立とうという素振りを見せたら、手伝ってあげましょう。

介護用品を上手く取り入れる


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介護は精神的にも体力的にも大変な労力を要します。その労力を少しでも軽減するために、便利な介護用品を活用してはいかがでしょうか。
「食事させやすくなる」「排泄させやすくなる」など、介護の状況に合わせたさまざまなグッズが売られているので、上手に取り入れてください。

ハーネスや犬用カートで散歩をサポート

ワンちゃんにとって散歩は大切な日課です。散歩には認知症を予防したり、筋肉の衰えを遅らせたるなどのメリットがあるので、できるだけ散歩には出かけるようにしてください。
足腰が弱って、外を歩かせるのが不安であれば、介護用ハーネスや犬用カートを使うのもおすすめです。

ベッドやクッションで床ずれを予防

ワンちゃんが寝たきりになると心配になるのが床ずれです。一度床ずれができると、高齢の影響もあり完治するまで長い時間がかかります。そのため、床ずれができやすい骨ばった部位にクッションを当てるなど、予防するといいでしょう。

また、床ずれを防止するワンちゃん用のベッドも市販されています。通常のワンちゃん用ベッドとしても使用できるので、まだ若い頃から使い始めるといいかもしれません。

食事やトイレの介護をサポートするグッズ

老犬の介護の中でも、食事やトイレの介護は毎日欠かすことができません。少しでも介護を楽にするためにも、便利グッズの活用をおすすめします。

食事用のグッズは、食べさせやすく老犬が食べやすいグッズを選びましょう。
筋力が衰えてきた老犬は、首を下に向けるのも億劫に感じるため、食器の下に食器台をおいて首の負担を軽くしてください。

トイレに関しては、失敗しでもいいようにトイレ周辺に防水シートを敷いたり、粗相してもいいように犬用のオムツを着用させるのも良いでしょう。

介護施設の利用検討も


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愛犬のためを想えば、できる限りの介護をしてあげたいと考える飼い主さんは多いでしょう。しかし、介護は精神的にも体力的にも大きな負担となります。そのため、限界を迎える前に老犬ホームやペットシッターに預けるという選択肢も用意しておくと良いでしょう。

老犬ホームやペットシッターの力を借りる

「可愛い愛犬の面倒を他人に任せるなんて…」と思う方もいるかもしれませんが無理をして飼い主さんが体調を崩しては共倒れになってしまいます。

一時でも専門家にお任せすることができれば、飼い主の負担を大分減らすことができるだけでなく、正しい介護の方法を学ぶこともできます。
愛犬のことを想えばこそ、ひとりで抱え込まず誰かに頼ることも大切です。

まとめ

ワンちゃんを飼ううえで、病気やケガとともに避けては通れないのが、高齢になった時の介護の問題です。可愛い愛犬の最期を見届けるためにも、今回の記事を参考に、無理なく愛犬の世話をしてあげましょう。

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