2017/12/27 17:51:38

【柴犬の歴史】「飼える」天然記念物、柴犬って何者?

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    柴犬は、実は「天然記念物」だってご存知でしたか?天然記念物というと、トキやイリオモテヤマネコのように、厳重に保護しなくて良いの?と思ってしまいますよね。なぜ、一般家庭で飼っても良いのでしょうか?そもそもなぜ、柴犬は天然記念物なのでしょうか?柴犬の歴史からその秘密を紐解いてみたいと思います。

    柴犬は一番人気の日本犬種

    柴犬を含む、日本に古くから住む6犬種を「日本犬種」と呼び、この6犬種が天然記念物となっています。
    その6犬種とは…
    携帯電話会社のマスコット「お父さん犬」としておなじみの「北海道犬」、日本犬種中唯一の大型犬である「秋田犬」、和歌山原産の中型犬である「紀州犬」、四国原産でオオカミに似た「四国犬」、山梨原産で虎柄がおしゃれな「甲斐犬」、そして柴犬です。実はもう一種類、北陸原産の「越(こし)の犬」という犬種も入っていましたが、残念ながら純血種が絶滅してしまいました。

    では、闘犬でおなじみの土佐犬や、徳川綱吉が飼っていた狆(ちん)は日本犬ではないの?これらは洋犬との交配で誕生した犬たちで、天然記念物という意味での日本犬種には含まれないそうです。

    日本で飼われている日本犬種のほとんどは柴犬です。柴犬の人気のほどについては、次の記事もご覧になってみてください。
    【関連記事】
    柴犬を飼いたい!柴犬の基礎知識まとめ
     

    柴犬と『日本犬保存会』

    犬種の登録、血統証明書の発行、ドッグショーの開催等を行っているケネルクラブという団体が各国にあり、日本にもJKC(ジャパンケネルクラブ)があります。
    一方、日本には日本犬種のみを対象とした「公益社団法人日本犬保存会」という団体があります。
    日本犬保存会では、日本犬のスタンダード(標準)を定め、血統書を発行しています。
    また、日本犬種のみのドッグショーの開催も行っており、まさに日本犬種専門のケネルクラブと言えます。
    日本犬種のスタンダードは、性格や見た目、体の大きさやバランス、耳の形や目の色や被毛についてまで細かく定められています。
     
    日本犬保存会の他にも「公益社団法人 秋田犬保存会」や「天然記念物 甲斐犬愛護会」
    「天然記念物 柴犬保存会」、「天然記念物 北海道犬協会」など多くの団体が存在します。
    いずれも、洋犬との交配などで、日本犬が絶滅してしまわないように保護している団体です。
    そのような活動が必要なほど、日本犬種の存続には様々な苦労があるのです。
     
    ちなみに「豆柴」は、体の小さな柴犬という認識であり、正式な犬種としては認められていません。
     

    柴犬は天然記念物なのになぜ飼える?

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    天然記念物とは、文化財保護法に基づいて保存されている自然物を指し、動物のほかにも、植物、地質、鉱物、保護地区があります。
    天然記念物として指定されている動物は柴犬などの日本犬種の他に、ニホンザルやニホンカモシカ、奈良公園の鹿などがあります。
    天然記念物の中でも特に価値が高いものを「特別天然記念物」と言い、トキやイリオモテヤマネコ、オオサンショウウオ、阿寒湖のマリモなどが認定されています。
     
    天然記念物に認定されると、傷つけたり、採取したりすることが禁止されます。
    では、柴犬は天然記念物なのになぜ飼えるのでしょうか?
    天然記念物には種の保存という目的があるため、人間と暮らすのが自然な柴犬は、特別に繁殖や飼育が認められているからであるといいます。
    とはいえ、柴犬を害することは「動物の愛護及び管理に関する法律」違反に加え、「文化財保護法」違反となります。
    一方、特別天然記念物であるイリオモテヤマネコやオオサンショウウオは勝手に捕獲することや、飼育することは禁止されているので注意して下さい。
     

    絶滅の危機も…。柴犬の歴史

    ①目のチェック--
     

    縄文犬が柴犬の先祖?

    柴犬の歴史は古く、縄文時代以前にさかのぼると言われます。縄文時代の遺跡から小型の犬の骨が発掘されました。
    この「縄文犬」が柴犬の先祖だと考えられています。
    犬の遺骸は打ち捨てられたものでなく、丁寧に埋葬されていたようです。
    さらに、歯の骨の消耗状態などから、生前は狩猟犬として大切に飼われていたのではないか、と言われています。
    柴犬はずっと昔から人間のよきパートナーだったのかもしれません。
    縄文犬は、体の高さが35㎝~40㎝程の小型犬であり、現在の柴犬の体高(36㎝~40㎝程)とほぼ同じです。
    容姿も柴犬と似ており、ピンと立った三角の耳と長いマズル(鼻と口の周り)、引き締まった体をしていたようです。
    性格も、飼い主に従順で警戒心が強かったと推測され、生活領域への他の動物の侵入や、危険を素早く察知し、飼い主に伝える番犬の役目もしっかり行っていたと言われています。
     

    絶滅の危機

    やがて、柴犬の先祖たちは、本州の山岳地帯などで主に小動物の狩猟犬として飼われました。
    狩猟犬には、猟師が仕留めた獲物を持ってくる、獲物の場所を知らせる、獲物を自ら狩る、獲物をおびき寄せるなど様々な役割がありますが、柴犬は獲物を自ら狩る直接狩猟犬だったと言われています。
    主な獲物は、鳥やウサギといった小動物です。
    柴犬自身が判断をし、狩りを行っていたことから、自立心と、獲物に立ち向かう勇敢さ、野山を駆る体力がある犬種になったのですね。
    さらに、狩猟犬であれば、取った獲物を勝手に食べたりしない忠誠心も必要ですから、忠実な柴犬の本質がここにも現れています。
     
    この頃には、各地の特色を持つ地柴(じしば)、つまり「ご当地」柴が多くいました。
    明治時代になると、文明開化により多くの洋犬が日本に入り、柴犬との雑種が作られるようになりました。純粋な柴犬は山岳地帯などに残るのみで、都市部からはほぼ姿を消してしまいます。
    「このままでは日本犬が絶滅してしまう」と、芸術家の斎藤弘吉という人物が、昭和3年に「日本犬保存会」を立ち上げます。そして、初代会長となり、日本犬の保護活動に乗り出しました。この斎藤弘吉さん、忠犬ハチ公を広めた人物でもあり、かなりの日本犬好きだったようです。この日本犬保存会は、日本で初めての犬種団体となりました。
    天然記念物の「日本に特有の畜養動物」というカテゴリで、日本犬種は順に天然記念物に指定されました。無事絶滅の危機を免れた柴犬たちは、こうして天然記念物となったのです。

     

    新たな危機と現在の柴犬の誕生

    しかし、まもなく訪れた第二次世界大戦により、柴犬はまたピンチを迎えます。
    戦後の食糧難、さらに追い打ちをかけるように犬の伝染病が流行、ますますその数を減らしてしまいました。
    そこで、またもや日本犬を守ろうとする運動が起こります。
    各地の柴犬を集め、交配を行うことで、種を存続することに成功しました。
    このとき、各地名を冠して「〇〇柴」などと呼ばれていた柴犬の特質は失われ、平均化していきました。
    ほかの日本犬種はすべて「秋田」犬、「北海道」犬などと地名が付いているのに、なぜ柴犬だけ地名がないのか?その謎がここで明らかになりましたね。
     
    このように、日本犬の保存に力を注いだたくさんの人たちのお陰で、今日の私たちは可愛い柴犬と触れ合うことができるのです。
    そう考えると感慨深いものがありますね。
    とはいえ、今はいなくなってしまった、各地の「地柴(じしば)」たちがどんな姿だったのか?気になりますね。
    地域特有の個性を持つ柴犬を守る運動も起こり、現在でも数種類の地柴を見ることができます。

    4種類の柴犬

    かつては各地に様々なご当地柴犬・地柴が存在していましたが、種の存続のための交配が行われ、現在の柴犬のスタンダードができました。
     
    実は現在でも数種類の地柴が現存することをご存知でしょうか。
    ここでは、長野県を発祥の地とする「信州柴」、岐阜県を発祥の地とする「美濃柴」、そして本州山陰地方を発祥の地とする「山陰柴」、さらにもう一種類、地柴ではありませんが、日本犬の先祖「縄文犬」の面影を持つ「縄文柴犬」をご紹介します。
    すでに数百匹しか現存しない柴犬もおり、それぞれ保存会があります。4種類の柴犬を詳しく見てみましょう。

     
    ●信州柴犬
    信州柴犬-
    現在よく目にする多くの柴犬のベースとなった柴犬です。ピンと立った耳や、丸まった尾、被毛の色から、一目で柴犬とわかります。
    柴犬の名前の由来は、「小さな雑木」を表す古語からというものや、柴藪を巧みにくぐり抜けて猟を助けることから、など諸説ありますが、この信州柴の故郷「柴」村から取られたのでは、という説もあるほどです。
    元々は長野や群馬周辺の山間部で狩猟犬として活躍していた歴史を持ちます。
     

    ●美濃柴犬
    美濃柴犬-
    赤毛の被毛を持つ柴犬です。この毛色は「誹赤(ひあか)」と表現され、夕焼けの空のような、独特の美しい色合いです。
    古来より狩猟犬として飼育されていた柴犬の特性を強く受け継いでおり、狩猟犬としても非常に優秀です。個体数は少なく、保存会は広く知ってもらうことを呼びかけています。
     

    ●山陰柴犬
    山陰柴犬-
    現状の生存頭数は200頭~300頭ほどしかいない貴重な柴犬で、保存会により大切に守られています。飼うこともできますが、厳しい条件が課されます。
    山陰地方に古くから根付いた地柴で、「太刀尾」と呼ばれる尾を巻きあげない柴犬が多いほか、耳が小さく上方についているのが特徴です。
     

    ●縄文柴犬
    縄文柴犬-
    地柴ではありませんが、柴犬の仲間です。縄文時代の遺跡から発掘された縄文犬のような、昔の日本犬の復活を目指して作られた犬です。
    長い足と、面長のいわゆるキツネ顔が特徴です。くるりと巻いた尾などに、その特徴がよく表現されています。「縄文柴犬」という呼び名は日本犬保存会によって名づけられました。
     

    最後に

    現在、私たちが柴犬と出会えたのは、柴犬を守ろうと立ち上がった人々の努力があってこそだと分かりました。
    さらに、種の保存のために、特別に人間と暮らすことを許された天然記念物であることも。
    はるか昔から、柴犬が人間のよきパートナーであったことは間違いありません。
    日本人が大切に守ってきた柴犬が、今や海外でも大人気ということは、なんだか奇跡のようですね。

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