シベリアンハスキーの寿命は?長生きしてもらうためにできること

シベリアンハスキーの寿命は?長生きしてもらうためにできること

日本では、マンガの影響で広く知られることになったシベリアンハスキーは、狼のような凛々しさと特徴的な模様を持つ大型犬です。

本記事ではシベリアンハスキーの寿命について、日常生活で気を付けるべきことや、なりやすい病気なども交えて解説していきます。

シベリアンハスキーの平均寿命は何歳?最高齢は?

大型犬は小型犬に比べ寿命が短い傾向にありますが、シベリアンハスキーは平均して何歳まで生きてくれるのでしょうか。

ハスキーの平均寿命は?

犬の寿命は、小型犬ほど長く大型犬ほど短い傾向にあり、犬全体の平均寿命13.7歳に対して、大型犬の平均寿命は12.5歳、超大型犬は10.6歳となっています。

シベリアンハスキーの平均寿命は12~15年といわれているので、大型犬の中では比較的長生きな犬種といえるでしょう。

ハスキーの最高齢は?

『日本ヒルズコルゲート(株)』が行った、全国の動物病院などを対象としたアンケートによると、シベリアンハスキーの最高齢は19歳でした。

参照:全国の獣医師に聞いた日本の高齢ペット(犬・猫)に関する調査(1)

オッドアイは寿命に影響するの?

シベリアンハスキーは、比較的オッドアイの個体が生まれやすい犬種です。

先天的なオッドアイは、一般的には何かしらの健康リスクが考えられますが、シベリアンハスキーの場合は環境の変化に適応した結果なので健康には問題がないといわれています。
シベリアンハスキーのオッドアイに関しては、下記のページで詳しく解説しています。
シベリアンハスキーにオッドアイが多いのはなぜ?理由や目の色まとめ シベリアンハスキーにオッドアイが多いのはなぜ?理由や目の色まとめ

シベリアンハスキーの年齢を人間に換算すると?

「愛犬が人間だったら何歳なのか」、一度は考えたことがある飼い主さんは多いでしょう。

一昔前であれば、「ワンちゃんの年齢に7をかけると人間の年齢になる」という説もありましたが、犬と人間の成長を比べると正解とはいえないようです。

2019年11月4日に、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームが、ラブラドールレトリバーを対象とした、ワンちゃんの年齢に関する研究論文が発表しました。

その論文は、「犬の実年齢の自然対数を16倍して31を加えた数値が、ヒトの年齢に換算した犬の年齢である」というもの。

これを簡単に説明すると、以下のような式でワンちゃんの年齢を人間の年齢に換算することができるという内容になり、結果は表のようになります。

「人間に換算した年齢=16ln(犬の年齢)+31」

ワンちゃんの年齢人間に換算した年齢
1歳31歳
2歳42歳
3歳49歳
4歳53歳
5歳57歳
6歳60歳
7歳62歳
8歳64歳
9歳66歳
10歳68歳
11歳69歳
12歳71歳
13歳72歳
14歳73歳
15歳74歳
16歳75歳

この表からは、人間と比べワンちゃんは生まれてから1歳までの間に急激に成長し、それ以降は同程度の早さで老化していくことが分かります。

研究対象はラブラドールレトリバーなので、100%同じというわけではありませんが、シベリアンハスキーは同じ大型犬なので、概ね該当すると考えられるでしょう。

長生きしてもらうために知っておきたいこと

上述したように、シベリアンハスキーは大型犬としては長生きの部類に入る犬種ですが、飼い主次第で寿命は短くも長くもなります。

ここでは、愛犬の寿命を少しでも長くするために、飼い主が気を付けておきたいことを紹介します。

夏場の温度管理

元々寒いで活動していたシベリアンハスキーは、寒さには比較的強いものの、暑さにはとても弱い犬種です。

そのため、夏場は熱中症に気を付けなければなりません。基本的に、愛犬の生活圏内はエアコンを点けっぱなしにして、快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。

室温は23~24度、湿度50%が理想といわれています。

運動欲を満たしてあげるために

元々そり犬として活躍していたシベリアンハスキーは、体力が豊富で運動欲が旺盛な犬種です。

そのため、1日に必要な運動量も豊富なので、散歩は1日2回1時間ずつ行うと良いでしょう。ストレスの発散にもなるので、心身の健康を維持するために可能であれば毎日連れて行ってあげてください。

また、週末などまとまった時間が作れる時は、ドッグランや広い公園で思いきり走らせてあげられれば、なお良いでしょう。

健康を保つためにも有効なブラッシング

ワンちゃんのお手入れの代表格でもブラッシングは、見た目を整えるためだけではなく、健康維持のためにも欠かせません。

シベリアンハスキーのような毛量が多い犬種は保温性が高い反面、皮膚が蒸れやすいのでこまめにブラッシングしてあげないと菌が繁殖して皮膚病になりやすくなります。

こうした病気予防のためにも、ブラッシングで毛玉や抜け毛を取り除き、皮膚の通気性を良くしてあげましょう。

肥満予防のための食事管理

満足な食事もままならない寒い地域の遊牧民と生活していたシベリアンハスキーは、少量の食事でも体を維持することができる犬種です。そうした中で、人が乗ったソリを引くという重労働をしていました。

そのため、現代の日本でペットとして暮らすシベリアンハスキーは、太りやすい環境に置かれていると考えて良いでしょう。

肥満は運動量よりも食事量が勝ることでリスクが高まるので、飼い主は運動量に見合った栄養バランスを整えてあげてください。

シベリアンハスキーは、夏になると暑さで運動量が少なくなりがちになるので、それに合わせて食事量を調整すると良いでしょう。

シベリアンハスキーがかかりやすい病気

遺伝性若年性白内障
目のレンズにあたる水晶体が白く濁る病気です。加齢によってリスクが高まる病気ですが、若年性の場合は遺伝的要因が大きく、2歳以下という若い時期に発症します。
緑内障
眼圧が高まることで激しい痛みを伴う、失明するリスクもある進行性の病気です。通常、先天性または他の病気が原因になります。
角膜ジストロフィー
遺伝的な要因で複数の角膜層が白濁する、目の病気です。軽度であれば問題ありませんが、重度になると角膜移植が必要になる場合もあります。
X連鎖性進行性網膜萎縮症(X連鎖PRA)
近年増加傾向にある、すべての犬種に発症リスクが存在する遺伝疾患です。シベリアンハスキーの場合、X染色体にPRA遺伝子が作用して発症するといわれています。
股関節形成異常
股関節が正常な場所に位置していないことで歩行障害となることもある遺伝疾患です。「股関節全置換」や「大腿骨頭切除」などの外科手術を行うことで歩行障害が改善されます。
特発性てんかん
シベリアンハスキーは、原因が不明なてんかんを発症することがある特発性てんかんの好発犬種といわれています。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌量が減少することで、さまざまな症状が現れる病気です。遺伝的な要因で発症する甲状腺の機能不全といわれていますが、シベリアンハスキーの場合、遺伝疾患である自己免疫性甲状腺炎によって発症します。

老化の判断基準・老犬との過ごし方

人間と同様、ワンちゃんもある程度の年齢になれば高齢と呼ばれるようになります。しかし、明確に区切りがあるわけではないので、飼い主も愛犬の行動や様子をみて「年を取ったな」と感じる程度でしょう。

ここでは、ワンちゃんの老化を判断するためのポイントと、高齢になった愛犬との接し方を紹介します。

見た目の判断ポイント

体型
ワンちゃんも高齢になると筋力が落ち基礎代謝が低下します。そのため、若い頃と同じ食事内容では肥満になりやすくなり、体型が変化してお尻が小さくなります。
被毛
新陳代謝の低下やホルモン分泌量の変化するので、被毛が薄くなったり人間の白髪のように被毛に少しずつ白いものが混じっていきます。
皮膚
皮脂の分泌量が減ることで皮膚が乾燥し、フケが多くなる傾向があります。また、イボやコブのようなふくらみが現れますが、悪性の場合もあるので注意しましょう。
目のレンズに当たる水晶体が白く濁り、老齢性白内障など目の病気を患う可能性が高くなります。
口臭
人間同様、高齢になると歯周病のリスクが高くなり、口臭が酷くなることがあります。

行動の判断ポイント

音への反応が鈍くなる
聴力の低下により、飼い主の呼び声など、音への反応が鈍くなります。
散歩を嫌がる
関節の痛みや筋力・体力の低下が原因で、散歩好きだった子も散歩に行きたがらなくなります。
歩き方が不安定になる
視力や筋力が低下することで不安定な歩き方になり、慣れた空間でも物にぶつかりやすくなります。また、歩幅が狭くなり動きが緩慢になることも。
食べ物の好み
あごの筋力低下や口腔内の不調により、それまでよりも柔らかいものや小さいものを好むようになります。
好奇心の喪失
おもちゃや遊びへの興味が薄くなるなど、好奇心が弱くなり物事への関心が低下します。
睡眠時間
基本的に、ワンちゃんは寝て過ごす時間が長い動物ですが、高齢になるとホルモンの分泌量の変化などが原因で、それまで以上に寝ている時間が長くなります。
粗相
膀胱の筋力が衰えることで、おしっこを我慢することが難しくなり、粗相が増えてしまいます。

飼い主にできること

コミュニケーションやスキンシップ
元気がなくなるので、積極的に甘えてくることがなくなります。それでも甘えたい気持ちは残っているので、飼い主側からコミュニケーションやスキンシップを図ってあげてください。
清潔に保つ
筋力の低下で体を支えきれず汚してしまったり粗相が増えたり、老犬になると汚れやすくなります。できるだけ清潔でいさせたいですが、シャンプーは負担が大きいので、おしぼりで全身を拭いてあげると良いでしょう。
床ずれ防止
高齢になると寝ている間は自分で姿勢を変えられないため、床ずれしやすくなります。床ずれは放置すると悪化してしまい、傷が化膿してしまう恐れがあるので、飼い主が愛犬に寝がえりをさせてあげましょう。

まとめ

全体的に見て、寿命が短い傾向にある大型犬ですが、シベリアンハスキーはその中でも比較的長寿といえる犬種です。

それでも、遺伝的な疾患や目の病気など、犬種特有の病気を患う可能性があり、肥満にもなりやすいため、飼い主が生活を管理してあげる必要があります。
今回の内容を参考に、愛犬の健康を守り長生きできる環境を整えてあげてくださいね。

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