コーギーがなりやすい病気は?てんかんやDMなどの原因・予防・治療法

1.要注意!コーギーがかかりやすい病気とその対策

コーギーがなりやすい病気は?てんかんやDMなどの原因・予防・治療法

コーギーの寿命は12~14年と言われていますが、なかには15年以上生きるコーギーもいます。また、近年はワンちゃんの病気に対する飼い主の意識や、医療の発展などにより平均寿命以上に長生きするワンちゃんも多いです。
愛するコーギーに長生きしてもらうためにも、コーギーがかかりやすい病気について知識を備えておきましょう!

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは椎体という背骨の間にある椎間板という組織が、脊髄側に飛び出してさまざまな神経症状を起こす病気です。コーギーやダックスフンドなどに多く見られます。

〇症状
背中を丸めて静かにしている、抱くと痛がるように鳴く、階段の昇り降りを嫌がる、後ろ足のふらつき、重度の場合は四肢の麻痺や、排泄が困難になることもある

〇原因
脊髄への負担、過度な運動、加齢など

〇治療法
軽度の場合はクレートで安静に過ごすといった運動制限などが行われます。麻酔を使用しない内科的治療では、レーザー治療やステロイドの投与などで痛みの緩和を行うことも。
重度の場合は外科手術が行われることもありますが、術後はリハビリが必要なため、獣医さんと相談しましょう。

〇予防
・階段の昇り降りや、ソファやベッドからのジャンプを避ける
・肥満を防止する
・フローリングなどの滑る床材を使用しない
・足の裏の毛をカットしてあげる

いずれも背骨に負担がかからないようにするのが大事であることが分かります。

てんかん

コーギー

てんかんは全身の痙攣や意識障害などを発作的に繰り返す脳疾患です。多くのワンちゃんに発症例があり、コーギーも例外ではありません。
はじめの発作は6ヶ月~3歳の間に起こることが多いといわれています。

〇症状
よだれが出る、落ち着かない、後ろにのけぞる、手足を無意識にバタバタさせる、尻尾を追いかけて回る、口をくちゃくちゃさせる、意識を失う、全身の痙攣、体の一部が痙攣する、失禁

発作は一時的なことが多いですが、重度の場合は長く続いたり、短いスパンで何度も繰り返したりします。

〇原因
・遺伝的なものが大きいが原因不明なケース
・脳腫瘍や脳炎といった脳障害や脳疾患の経過で発症するケース
・脳疾患の関与が疑われるが、検査しても原因が分からないケース

〇治療法
原因が分かっている場合は、その原因に対する治療を行います。また、てんかんの発作を起きにくくするための抗てんかん薬を用いる場合もあります。
治療法および薬の投与期間などはかかりつけの獣医さんに相談が必要です。

〇予防
原因不明で発症する場合は予防が困難です。てんかんは基本的に抗てんかん薬による発作のコントロールとなるため、獣医さんと治療法や病気との向き合い方を確認します。
また、ストレスや天候の変化が発症の引き金になることもあるようです。日頃から健康的な生活を心掛け、ストレスフリーを目指しましょう。

アレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患

モフモフとした被毛を持つコーギーは、毛量の多いダブルコードです。皮膚も厚いせいか蒸れやすく、皮膚トラブルを起こしやすいといわれています。皮膚疾患には注意が必要となりますが、その代表としてアレルギー性皮膚炎についてご紹介します。

〇症状
炎症を起こす、かゆがる、抜け毛が増える
重症度によっては、皮膚だけでなく下痢や嘔吐など、そのほかの症状を伴う場合も

〇原因
・花粉やダニなどのアレルゲンを吸い込んだ際に発症するアトピー性皮膚炎
・食べ物や身体に寄生したノミによって発生するアレルギー性皮膚炎

など、アレルギー疾患の原因はさまざま。何に対してアレルギーを発しているのか、動物病院にてアレルギーテストを受けましょう。

〇治療法
アレルゲンが特定できたら、該当のアレルゲンへの対策を行います。花粉なら原因となる植物の撤去、食べ物なら原因となる食べ物を避けた食事への変更、ノミであれば駆虫薬の使用やシャンプー療法など、アレルゲンによって有効な治療法を選択します。

〇予防
普段からコーギーの様子をよく観察し、特定の場所を掻き続けるなどしていれば獣医さんに診てもらいましょう。また日頃のブラッシングやシャンプーで健康な皮膚や被毛を維持することも大切です。早期発見で症状を最低限に抑えましょう。

2.ウェルシュコーギーペンブロークの遺伝性疾患にご注意!

変性性脊髄症(DM)

コーギー

ジャーマン・シェパードや、ウェルシュコーギーペンブロークに発症例が多いと報告されている脊髄の病気です。ゆっくりと進行する病気で、症状は10歳頃から現れるといわれています。

〇症状
後ろ足をすって歩く、後ろ足の交差、腰や後ろ足のふらつき、うさぎ跳びのように歩く

DMは後ろ足から症状が出はじめ、進行すると前足に症状が出てふせのような姿勢になります。上半身を支えることができなくなると、横たわるようになり、失禁、呼吸障害、呼吸不全に陥り、命を落としてしまいます。

〇原因
遺伝子の変性によるもので、体内で発生した活性酸素などのストレスを除去するタンパク質に異常が起きることが関係しているといわれています。

〇治療法
残念ながら治療法はありません。しかしながら、獣医さんとよく相談し、適切なケアを行うことで生活を送ることはできます。早期発見が肝心です。

〇予防
遺伝性疾患のため予防は困難です。
その遺伝子を持つワンちゃんを交配しないことも大切ですが、迎え入れた子にその遺伝子がないか調べておくと、病気に対して心構えができるかもしれません。

股関節形成不全症

大型犬によく聞く病気ですが、コーギーの発症例も多い病気です。股関節を形成する骨がうまく発達しない遺伝的な病気で、さまざまな症状を引き起こします。

〇症状
腰を振って歩く、横座りをする、うさぎ跳びのように歩く、立つのに時間がかかる、四肢をつっぱらせる、昇降や運動を嫌がる、後ろ足の接地点が近い

〇原因
・遺伝的なもの
・成長期の栄養バランスの乱れや過度な運動によるもの

〇治療法
軽度の場合は痛みを緩和するレーザー治療や鎮痛剤が使われます。重度の場合は「骨盤3点骨切り術」「股関節全置換術」「大腿骨頭切除術」といった外科手術が行われることもあります。年齢や症状によっても治療法は異なり、外科手術の場合は術後のリハビリや生活スタイルも踏まえて獣医さんと念入りに相談が必要です。

〇予防
・成長期に偏った食事を与えない
・成長期に過度な運動をさせない
・肥満にさせない
・遺伝的な場合は進行させないよう体重管理を徹底する
・フローリングなど滑る床材を使用しない
・足の裏の毛をカットする

このように予防法はたくさんあります。また遺伝的なものでも進行を遅らせられるかは飼い主次第です。日頃からコーギーの行動に目を配り、早期発見に努めましょう。

まとめ

予防が難しい病気も、ちょっとした心がけで発症リスクを下げられる病気も、ワンちゃんの変化にいち早く気づいてあげることや、早めに獣医さんに診てもらうことがコーギーの寿命を大きく左右します。

また、病気についての知識を持っておくことは、飼い主にとっても自信や安心につながるでしょう。コーギーのためにも、ぜひかかりやすい病気について目を通してみてください。

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