キャバリアの命を脅かす病気とは?かかりやすい病気と予防策について

小型犬だけどガッチリした骨格が特徴

キャバリアの命を脅かす病気とは?かかりやすい病気と予防策について

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(以下:キャバリア)は小型犬に分類される犬種ですが、ガッチリとした骨格を持ち合わせています。そのため、軽やかに歩く姿はなんとも華麗ですてきです。また、被毛も艶があり絹のような毛質をしているため、その見た目から「騎士」を意味する“キャバリア”という名前が名づけられました。

そんなキャバリアの平均寿命は約12歳。いつまでも華麗な身のこなしで元気よく生活してもらいたいですよね。今回はキャバリアが患いやすい病気について要点をおき、病気の解説から予防策までご紹介したいと思います。

キャバリアで1番多い病気って?

他の犬種よりも発症率が高い“循環器疾患”

キャバリアが患いやすい病気の代表として『僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう/MR)』という心臓疾患の病気があります。

心臓には左心房と左心室の間に、血液を送り出すために開いたり閉じたりする僧帽弁(そうぼうべん)があります。これは左心房から左心室への血液が逆流するのを防ぐ役割をしています。それが何らかの原因で変性して閉鎖不全が生じてしまい、血液が逆流し血液の循環不全が起こり始めてしまいます。そしてこれらが原因でさまざまな症状を引き起こしてしまうのです。

この病気はキャバリアを始め、シーズーやマルチーズ、ヨークシャーテリアなどのシニア(老犬)の小型犬が発症しやすいといわれています。


詳しくは下記のリンクに掲載されていますので、ご参考にしてみてください。
キャバリアは心臓の病気にかかりやすい?症状や予防法から平均寿命まで キャバリアは心臓の病気にかかりやすい?症状や予防法から平均寿命まで

他にはどんな病気を患いやすいの?

2番目に多い病気“呼吸器疾患”

キャバリアやパグ、シーズーなどの犬種を見ると、頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが短いかと思います。これらの犬種のことを「短頭種」と呼びます。彼らは、鼻や喉などの気道が異常に狭いことから『短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)』を発症しやすいといわれています。特に夏の暑い日や興奮した時などは、呼吸器の病気が多発するといわれていますので、注意が必要です。


【原因ってあるの?】
短頭種と呼ばれる犬種は、鼻の穴が狭い外鼻孔(がいびこう)や口腔内の上あごのやわらかい部分が大きく垂れ下がる軟口蓋過長(なんこうがいかちょうしょう)などがあります。

短頭種気道症候群を患ってしまった犬は、鼻の穴や通り道の狭さによって鼻の奥の筋肉が過剰にたるんでしまいます。そして喉から気管にかけて狭くなってしまう症状が発症してしまうのです。
これらが原因で、夏の暑い日や興奮時などで急激に激しい呼吸が続くと気道に圧力がかかりやすくなってしまいます。


【症状について】
・寝ている時「グーグー」「ブーブー」という呼吸音(いびき)が聞こえる
・「ヒューヒュー」といった喘息のような音が聞こえる
・運動を嫌がる

重症化すると…
・口を開けて早い呼吸をする(パンティング)
・呼吸困難
・泡を吹いて失神する

これらの症状は年齢と共に進行していきますが、肥満などで気道を狭くする要因もあります。また重症化すると、命の危険性もあるので注意が必要です。


【治療方法について知りたい】
外科的手術で鼻の穴を大きく広げたり、軟口蓋の垂れ下がった箇所を切除したりすることがあります。また、場合によっては2つ同時に行う場合もあるそうです。
しかし、短頭種は麻酔による呼吸不全のリスクがあります。そのため、手術を行う場合はきちんとかかりつけの獣医さんとよく相談した上で進めていくことが大切です。


【予防することはできる?】
肥満になると呼吸不全のリスクが高まります。そのため、日頃から適正な体重を保つためにも食事管理に気を付けることが大切です。また、興奮や熱い場所にいると呼吸器への負担が増えますので、涼しい環境で落ち着いた生活をさせてあげましょう。

3番目に多い病気“消化器疾患”

7頭に1頭の割合で多い“消化器疾患”。特にキャバリアは高い割合で患いやすいといわれています。その中で特に多い病気が『急性膵炎(きゅうせいすいえん)』といわれています。

急性膵炎とは膵臓に急激な炎症が起こってしまい、腹部痛や嘔吐などの消化器症状が見られる病気です。重症化すると膵臓全体に炎症が広がり、膵液が膵臓を消化してしまいます。そして他の臓器にまで炎症を引き起こし、多臓器不全や血液の凝固異常を起こしてしまうこともあるので大変危険です。


【原因ってあるの?】
はっきりとした原因は解明されていませんが、肥満や寄生虫の感染、薬物の投与など様々な要因が考えられています。また、中高齢で肥満気味の女の子に多く発症するといわれていますので注意が必要です。


【症状について】
・嘔吐
・食欲不振
・体重減少
・黒色や血が混じった下痢
・腹部を触ると「キャン!」と痛がる
・前足を前方に伸ばして胸を床につけ、おしりを突き上げた状態で座る

重症化すると…
・黄疸(おうだん)
・発熱
・止血異常
・速い脈や呼吸

重症化すると、多臓器不全や血液の凝固異常などを引き起こし、最悪の場合死に至る危険性もあります。


【治療方法について知りたい】
鎮痛剤や補液の投与で痛みやショック症状を緩和させたり、絶食を行ったりして膵臓の働きを抑制することがあります。嘔吐が抑えられるようになれば、低脂肪の維持食を複数回に分けて少量与えます。
これらの治療方法は、症状や進行状況によっても異なる場合があります。必ず獣医さんの指示に従って治療を進めるようにしてください。


【予防することはできる?】
肥満や高脂肪のドッグフードやおやつなどが原因で発症しやすいといわれています。バランスの良い食生活を心掛けましょう。
急性膵炎は早期発見・早期治療を行えば回復する可能性が高い病気といわれています。重症化する前に少しでも愛犬に異変があれば動物病院に受診しましょう。

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