コーギーのしっぽはなぜ断尾するの?危険性や影響

1.コーギーが断尾される理由とは?

理由1.牧羊犬としての仕事を阻害しないため

コーギーのしっぽ

コーギーの愛称で親しまれるウェルシュコーギーペンブロークが断尾されている理由については諸説ありますが、もっとも広がっているのは、牧羊犬の仕事を行うにあたり、走る際に邪魔にならないようにするためであったり、家畜にしっぽを踏まれたり噛まれたりしないようにするためであると言われています。

理由2.納税を逃れるため

現在は廃止されていますが、かつてイギリスではしっぽのある犬に対し、税金を徴収していました。

そもそも、当時貴族の間で流行していた鹿のハンティングを犬が邪魔しないように、犬はつま先を落とすか足を傷つけることで早く走れないようにすることが義務付けられていましたが、これでは牧羊犬として飼い犬が働けなくなってしまい、困る農家も出てきます。

農夫たちは代わりに納税をすることで、犬を傷つけることを逃れていたのですが、しっぽを切り落とすことで早く走れないと思わせ、納税をも逃れるようになったというのがひとつの説です。

理由3.きつねと間違われないように

コーギーはもともと、きつねのようにふさふさとしたしっぽが生えていますが、被毛の色やこのしっぽにより、きつねと間違われることもしばしばありました。
きつねと間違われて銃で撃たれないように、断尾していたともいわれています。

理由4.衛生上の問題

長いしっぽに糞便が付着し、不衛生な状態から感染症や皮膚病を引き起こすのを避けるために断尾されていたという説もあります。
また、現在でもこうした理由から断尾を行うブリーダーもいるようです。

中には、狂犬病の予防になるという迷信も伝えられ、ヨーロッパでは古くから断尾が習慣になっていたと言われています。

理由5.ウェルシュコーギーカーディガンと区別するため

ウェルシュコーギーには実は「カーディガン」と「ペンブローク」の2種類がおり、カーディガンの方が先に存在していました。
また、カーディガンはペンブロークよりもわずかに体格がよく骨太で、耳も大きいのが特徴です。

時折、しっぽの短い個体が生まれていたペンブロークを断尾して統一することで、この2種類を区別していたという説もあります。

理由6.見た目の問題

現在は動物愛護の概念から、ヨーロッパ諸国では断尾を禁止している国もあります。しかしながら、日本では特に決まりがなく、迎え入れるコーギーの子犬は断尾されているケースがほとんどでしょう。この理由としては、「犬種らしい見た目の維持」が挙げられます。

これまでに挙げた説から分かるように、何らかの理由で昔から断尾されてきたコーギー。
古くから定着している“ウェルシュコーギーペンブロークらしさ”を保つため、犬種の市場価値を高めるために、現在でも断尾されているという訳です。

現代において断尾は必要ない

諸説ある断尾ですが、牧羊犬として飼われることもほとんどない日本においては、もはや断尾は必要ありません。実用犬として現役で働くのであればまた別ですが、家庭犬として飼われるのであれば、断尾はする必要がないでしょう。

2.断尾の方法と危険性について

手術道具

見た目の維持を理由に断尾されている説をご紹介しましたが、実際にはしっぽのあるウェルシュコーギーペンブロークも増えています。

断尾は当たり前ながら容易ではなく、ワンちゃんには痛みもあります。最悪のケースは死に至ることもある危険なものです。こうしたリスクを踏まえ、断尾の手術を断る獣医さんもいます。では実際にどのように断尾が行われるのか、ご紹介します。

断尾の方法

断尾の方法は2種類あります。
ひとつは生後10日未満の子犬のしっぽをハサミで切る方法、つぎにしっぽの根元をゴムで縛り、血流の流れを止めてしっぽを壊死させる方法です。
ハサミで切る方法は、獣医さんによる手術で行われるケースもあります。

生まれたての子犬は痛覚が未発達であるという理由から、生まれてまもなく切られることが多いです。しかし、アメリカの心理学者の研究によれば、聴覚や視覚が未発達の生後13日頃までの子犬にも痛覚があるという結果を出しています。

痛みを感じないとされている生まれたての子犬も、実際には相当の痛みを感じているのです。

それに伴う危険性

断尾はしっぽを切り落とす、または壊死させる方法がありますが、どちらもリスクを背負います。特に外科的に切る手段においては、痛みのショックにより死に至るケースもあるというのです。
壊死させる方法では、傷口からの感染や、同じく痛みによるショック死もない訳ではありません。
また、命を落とさなくとも傷口の痛みがその後も残る可能性もあります。

しっぽがなくなることによる影響

ワンちゃんはしっぽを使って身体的なバランスをとったり、感情を表現したり、ワンちゃん同士のコミュニケーションにも役立てたりします。

断尾をしてバランス感覚が十分でないワンちゃんは、思わぬ転落事故を招くかもしれません。ワンちゃん同士で向かい合った際に、しっぽで気持ちを表すことができず、相手に誤解をまねき思わぬトラブルになるかもしれません。

さらに、寒い日にはしっぽで鼻を覆い、冷気をブロックすることもできるコーギーの長いしっぽ。冷気を直接吸い込むことで体が影響を受け、呼吸器系の病気を招く可能性も出てくるのです。

また、酷い痛みを味わったことでトラウマとなり、心に大きな病を抱える子もいるでしょう。

しっぽはワンちゃんにとって非常に大事なパーツです。果たしてこうしたリスクを以てしても、断尾を行う理由があるのでしょうか。

3.断尾禁止でコーギーが絶滅危惧!?注目される「ナチュラル・ボブ」

コーギー

日本では特に断尾は禁止されておらず、任意で行うものとなっていますが、欧州各国など、いくつかの国では断尾禁止令が実施されています。

イギリスではその余波を受け、断尾を行わないことによる容姿の変化から、受容の減少を懸念したブリーダーが増え、コーギーの繁殖数が激減しました。

2013年に純血のウェルシュコーギーペンブロークが登録された数は241頭、この数字は絶滅が懸念される数字だといいます。

ただ、この動きと同時に注目されたのが、生まれつきしっぽのない「ナチュラル・ボブ」のコーギーです。禁止となっている「断尾」を行わなくても馴染みの容姿である「ナチュラル・ボブ」の研究が進められており、現在は多くの関心が集まっています。

ワンちゃんに痛い思いをさせなくとも、これまで愛されてきたしっぽのないコーギーが増えていくかもしれない大きな転機です。断尾禁止令により、コーギーの歴史が次のステップに向けて動きはじめているのです。

まとめ

ウェルシュコーギーペンブロークのしっぽについては、短く自然なものが望ましいとされている風習があります。しかし、断尾が任意となった現在、断尾してもしなくても「ウェルシュコーギーペンブローク」であることに変わりはありません。

もし、断尾をしないしっぽのあるコーギーを望まれる場合は、事前にその旨を購入元や、譲渡元に相談しましょう。

もちろん、プリッとしたハート型のお尻もコーギーにとっては大きなチャームポイントです。断尾の背景を知っておくことでまた違う気持ちでワンちゃんと向き合えるでしょう。

ぜひ、コーギーの断尾について知った上で、改めて断尾可否を検討していただければと思います。合わせて、以下のリンクからはコーギーの子犬と、そのブリーダーを探すことができますので、ご覧くださいね。

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