犬が自分のしっぽを追いかける3つの理由

1.ストレス

ワンちゃんが自分のしっぽを追いかける理由で最も多いのが、ストレスです。

ワンちゃんには【常同障害】という心の病気があり、ストレスを溜め込みすぎると同じ行動を繰り返すようになります。しっぽを追いかけるのはそうした常同行動の1つで、ストレスを発散するために行っている行動なのです。

これはある種の強迫性障害にあたり、ひどくなるとしっぽに噛みついて毛をむしったり、自傷行為に発展することもあり、血が出てもしっぽを追うことをやめなくなる子もいます。

たまにしっぽを追いかけてストレスを発散する程度なら問題ありませんが、あまり頻繁に行うようなら、常同障害へ発展する前に上手にストレスを発散できる環境を整えてあげましょう。

2.遊びや暇つぶし

人間でも、手持無沙汰になるとペンを回したりすることがあるでしょう。それと同様に、ワンちゃんも退屈になるとしっぽを追いかけ回すことがあります。髪の長い人が、枝毛を探すのに似ているかもしれません。

ワンちゃんの性格によって癖として出ることもあり、少し神経質な子であれば、トイレの後にしっぽを追いかける場合もあります。

こうしたケースは、ワンちゃんが年齢を重ねるに従い減少していきますが、名前を呼んだり遊んであげたりして、すぐに止められるようであれば全く問題はないでしょう。

それでも、可能であれば放っておかずに止めさせるように、少しずつ取り組んでいくことをおすすめします。

3.ケガや病気

しきりにしっぽを追いかけているようなら、ケガや病気でしっぽを気にしているのかもしれません。

ワンちゃんの中には皮膚病を患いやすい犬種もいて、痒みを伴う病気の場合、痒さを紛らわせるためにしっぽを追いかけることがあります。ノミやダニに寄生されて痒みを感じている場合も同じです。

また【てんかん】という脳の病気の症状の1つとして、しっぽを追いかけることもあります。てんかんになると、体がけいれんしたり幻覚を見てしまうため、自分の意志とは関係なく異常行動をしてしまうことも珍しくありません。

てんかんの場合、抗てんかん薬を投与することで尾追い行動が減少することがあります。

しっぽを追いかけるのをやめさせるには

ワンちゃんがしっぽを追いかける行為自体は珍しくありません。たまに見せる程度の行動であれば、何も害はないでしょう。心配なら、名前を呼んでこちらを向いてくれるか確認してみてください。

しかし呼びかけに応えなかったり、同じ行動を何度も繰り返したり、声をかけても一向に止まる気配がなかったりする場合は問題です。しっぽに異常がないか、普段の行動におかしなところはないか、確認してみましょう。

ストレスを感じて常同行動をする場合も同じです。しつけやトレーニングでどうにかなるものではないので、動物病院に連れて行き、薬を処方してもらったり処置をしてもらったりする必要があるかもしれません。

心身に問題を抱えている場合、長引けば長引くほど治すのが難しくなってしまいます。自分一人で抱え込まず、早急に専門家に相談するようにしてください。

まとめ

ワンちゃんがしっぽを追いかけるのは「テイルチェイシング」と呼ばれる行動で、珍しいものではありません。特に好奇心旺盛で遊び好きな子犬が良く行います。

基本的に放っておいても問題はありませんが、1日に何度も繰り返したり、唸ったり吠えたりの攻撃性を見せながらしっぽを追いかけたりするようなら注意が必要です。

「良くあることだから」と放っておかず、日常の行動を観察して、異常を感じたらすぐに動物病院で診察してもらうことをおすすめします。